ネット動画とのつきあいかた 第7回 YouTube Kidsってなんだろう
これら制限機能の利用には、保護者のGoogleアカウントが必要になります。
YouTube Kidsの操作画面
与えっぱなしは禁物
このように、保護者にとっては、至れり尽くせりのYouTube Kidsアプリ。子どもが自分ひとりでも操作できるように、アプリの操作方法が通常のYouTubeと比べて簡略化されていることもあり、つい、タブレットやスマホごと、子どもに渡してしまいたくなるところですが、手放しで喜んでばかりはいられません。
たとえば、まだキーボード入力ができない子どもでも、音声検索機能を使えば、好みの動画を簡単に見つけることができてしまいます。また、YouTube Kidsで視聴できる動画は、プログラムによって自動的に選定されたものです。人の目で中身を全て確認しているわけではないため、子どもには不適切な動画が表示されてしまう可能性も残っているのです。
さらに、動画を1本見終わったあと、それに関連する「おすすめ動画」が表示される点は、大人向けのYouTubeと同様です。利用する時間をまだ自制できない子どもの場合、視聴タイマー機能の助けを借りないと、好みの動画を次々と、長時間見続けてしまうことになりかねません。
つまり、YouTube Kidsアプリを使うにしても、一般のYouTube同様、子どもが利用しているようすから、保護者が目を離すことはできないのです。
とはいえ、子どもにはふさわしくない動画が表示されないか、ヒヤヒヤしながら使わせるという、保護者の精神的な負担が大幅に下がるのは大きなメリット。このアプリでできること、できないことをよく確かめるためにも、まずは保護者のみなさんが、一度YouTube Kidsを試してみてください。
次回は、注意が必要な不適切なネット動画の流通についてご紹介します。
【YouTube Kids (Google, Inc.)のダウンロード先】
■App Store(iPhone、iPad)
■Google Play(Android)
高橋大洋(たかはしたいよう)株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー 代表取締役。2008年より、「子どもとインターネット」領域での保護者や学校支援に取り組んでいる。「ネットとのつきあい方をオトナにもわかりやすく」をモットーに研修講師、教材開発、執筆、自治体の会議委員など幅広く活動中。子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)