「遊ぶように学ぶ」障害の有無問わず、そこに人間関係のつくり方がある
への挑戦が始まったのは、私自身の家庭環境からの気づきからでした。
私は年子の兄と3つ下の弟がいますが、どちらも知的障害と自閉症を併せ持っています。大学進学を機に私は親元を離れましたが、それまではずっと家族と暮らしていました。
違和感に気づいたのは、中学生の頃、兄と同じ特別支援学校にいた子が、交流及び共同学習の一環で私のクラスにやってきた時です。
それは、まさにクラスの同級生との温度差を感じた瞬間でした。
特別支援学校の生徒を「お客様」として招き、誰も別に面白くもないゲームをやり、一緒に給食を食べて終わるという一連の時間に、「一体何の意味があるのかな」と疑問に思ったのです。
中には心ない悪口を言い放つ同級生もいて、ショックを受けました。
しかし、その同級生の姿になぜショックを受けてしまう自分がいたのかといえば、私の家庭の特殊性があったからだ、と気づいたのです。
そして同時に、同級生に「差別はいけない」と正義感を振りかざすことも違うと感じました。
交流及び共同学習の目的は、障害のある本人が、社会性を育む重要な機会です。
人と関わるためのスキルを学ぶ機会は増えてきましたが、実社会で生かせる場面がどれほどあるのかといえば、社会の準備はまだ整っていない状況ではないでしょうか。
あの頃の違和感が、今、子ども達との「ワークショップ」に繋がっている
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10367008735
誰しも小さい頃、お友達を作る時は何気ない遊びからスタートしていました。
あの経験は、大人になった今でも生かせるはず。
「関係性を作る学習」を遊びの延長のように用意することはできるのではないか、と思っていたところ私はワークショップに出会いました。
もちろん、全てのワークショップの場が万能なわけでもありません。
当日の活動内容や、参加者同士の相性、お子さんのその日の調子などによって、その会の進み方も様々です。
それでも、一人ひとりの可能性をただ信じて場を用意する。それも人との関わりを育む1つの選択肢なのだろうと思っています。
「本当は関わりたいけど関われない」そんな子どもたちが、楽しくつくる活動を通して、人との関係性を育んでいく。
スキルを教えることも大切だけど、経験こそ力を伸ばしてくれる。