「感覚統合」とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめ
ですが、ゆがんだり傾いたりしている土台の上に積みあがった積み木はぐらぐらと不安定ですよね。それと同じように、パパ・ママとしては、「自分の子どもは順調に成長している!」と思っていたはずなのに、あるとき「どうしてこんな行動をするのだろう…どうして同い年の子みたいにうまくできないのだろう…」と、子どもの特定の行動に対し課題を感じることがあります。その場合、実はもっと前に達成されているべき段階、土台部分に原因がある可能性があるのです。
集団行動において困りごとが顕在化する場合も、人間関係がその原因のすべてではない場合があります。例えば「すぐ友達に手を出してしまう」など、乱暴な動作が多いという背景には子どもの固有感覚の発達がうまくいっていないことがあるかもしれません。
本人は軽く肩を叩いているつもりが、実際には「痛いほどの強い力で叩いてしまっていた」、ものをただ置くだけのつもりが「強く叩きつけてしまっていた」、これらの行動は固有感覚の未発達によって力の調節がうまくできないことが本当の原因かもしれません。
「他の子と一緒に同じ行動ができずいつも1人で行動している」背景には聴覚の感覚統合に原因があり、指示内容を正確に聞き取って理解することが難しい、大きな音、ざわざわとした人ごみから発せられる音に拒絶反応を示すからであるかもしれません。
このように、子どもの気になる行動には、感覚統合の発達が関係していることがあります。
だからこそ子どもの成長を見守るパパ・ママとしては、子どもの行動や言動、他の子との関わり方などをよく観察することを心がけましょう。
感覚が統合され、子どもが自分でいろいろなことができるようになるためには、子ども自身のチャレンジ精神がとても重要です。
「感覚は脳の栄養素」と言われますが、子どもは多くの刺激を受け、好奇心からさまざまなことに興味を持ちます。成長するにつれて自分から刺激を求めたり、新しいことに対して「やってみよう!」と思い行動します。そして「できた!」という達成感と成功体験を得、さらに楽しくて刺激が得られる活動にチャレンジしていくという循環により感覚統合がすすむのです。この繰り返しに、難しく複雑な活動もできるようになっていくのです。
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◇第一段階基礎感覚(前庭覚、固有感覚、触覚)と視覚、聴覚の発達
感覚統合の発達は、生まれながらに備わっている、感覚統合において重要な役割を果たす前庭覚・固有感覚・触覚に視覚・聴覚が加わり、見る・聞く・触るなど、刺激を感じ取るところから始まります。