2017年5月15日 15:33
【専門家が徹底解説】発達障害児向けの民間支援施設の選び方は?見学前に親が意識したいことを聞きました
フィードバックされた親が喜んでいるとさらに子どもは頑張ります。
ー他には、どんな観点が必要でしょうか?
子どもの興味関心を見極め、子どもが本当に楽しんで取り組んでいるかが大事です。それに合った課題やプログラムを提供するところがいいです。
その上で、もう少し欲張ると、家へ帰ってもそこで学んだことを課題として出してもらえるといいですね。同じ課題や教材教具がむずかしければ、「家にある似たもので学習できますよ」とヒントをくれるような場所がいいです。施設での学習時間は限られているので、家庭で関心をもっている内容を毎日できるとなると、ものすごくよいでしょう。
ー子どもが楽しんで取り組めているかが重要なんですね。
子どもも意外に義務感があって、「ここにきたらこれをやらないといけない」などと考えています。
興味も関心も意欲もないのだけど、お母さんに「ちゃんとやりなさいよ」と言われたら、頑張ってやったりするのです。
ですが、子ども一人ひとりの関心事や困り事を観察して、楽しみながら取り組ませてくれるところが、真の個別対応です。そういう取り組みができる民間サービスを探すとよいのではないでしょうか。
良い指導には、正しい「厳しさ」が重要。見学の際は子どもと指導員の関わり方の確認を
Upload By 福井万里
ー厳しい指導をするところは、避けたほうがよいのでしょうか。
これも、一概に「厳しい」「優しい」と区分けすることはおすすめしません。
子どもはある意味、厳しい指導を求めている場合があります。褒められてばかりや、やさしいことばかりしていたら、子どもは興味関心をもちません。
そう簡単には達成できないレベルでありつつも、子どもが持ちこたえて乗り越えられるような、絶妙な課題設定ができる指導者がよいでしょう。
レベルを段差で例えると、階段は登れないけれど、細分化してレベルアップするスロープ状なら登れる子もいます。その場合は、スロープを作ってくれるような取り組ませ方をしてくれる指導者がよいと思います。
座っていられない子に、歩いていいよと放置してしまったら、子どもの姿勢は育ちません。求められる「厳しさ」というのは、強制的に指導するのではなく、子どもが出来ないことを出来るようにしっかり取り組めるようにする指導です。
子どもに合わせてしまう指導が現在多いですが、できるようになるためのハードルを作る、正しい「厳しさ」