2017年1月31日 08:30
脳性麻痺とは?どんな症状なの?いつ分かるの?治療方法はあるの?など徹底解説します!
ただ、痙直型であっても筋肉の緊張が低い子どもも珍しくないようです。
2. アテトーゼ型:
大脳の奥深くには大脳基底核と呼ばれる場所があります。不随運動に関わっているといわれており、この部分を損傷してしまうとアテトーゼ型の脳性麻痺となります。筋肉の緊張度合いが突然変わってしまうため、姿勢を保つことが難しいのがアテトーゼ型の脳性麻痺の特徴です。また、自分の意志とは無関係に体が動いてしまう不随意運動もともないます。
筋肉の緊張度合いが突然変わるとどのようなことが起こるのでしょうか。たとえば、きちんと座っていても、急におなかの筋肉の緊張がゆるんでしまって前に倒れてしまうことがあげられます。また、精神的な緊張の影響を受けやすく、人前で話そうとして緊張すると、全身の姿勢緊張が高まってしまってうまくしゃべれなくなったり、普段できることもできなくなってしまったりすることも多いようです。
そのほか、嬉しいことなどで脳への刺激が高まり興奮すると、逆に筋肉の緊張が高まりすぎてしまって、自分の思いとは関係なく腕がピーンと伸びてしまうといったこともあります。
アテトーゼ型は早産や未熟児が原因の脳性麻痺に多いことでも知られています。周産期医療の発達のおかげで、早産で未熟児であっても助かる赤ちゃんが増えました。そのため、脳性麻痺の発症が横ばいか減少傾向であるものの、アテトーゼ型は増加傾向にあります。
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参考書籍: 梶浦一郎、鈴木恒彦/編集『脳性麻痺のリハビリテーション実践ハンドブック』(市村出版、2014年)
3. 失調型:小脳にも錐体路外系の神経伝達路があり、この部分を損傷すると失調型の脳性麻痺になります。脳性麻痺の分類で最も少ないタイプが失調型です。失調型は、筋肉の緊張が低く、正常と低緊張をいったりきたりするので、バランスを保つことが難しく姿勢が不安定となってしまいます。また、歩けるようになっても転びやすいことも、失調型の特徴にあげられます。
4. その他:そのほかの分類には、痙直型とアテトーゼ型が組み合わさった混合型などがあります。
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参考書籍: 木舩憲幸/著『脳性まひ児の発達支援調和的発達を目指して』(北大路書房、2011年)
脳性麻痺の合併症
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387003135
脳が損傷をうけたときに、運動に関係した部位だけが損傷するということはまれで、他の部位も損傷している可能性が高いことが知られています。