ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!
加えてICFでは、生活機能や障害の状況に影響を与える要素として「環境因子」と「個人因子」(※注1) を挙げ、「環境因子」も同じように分類分けをしています。つまり「生活機能」を作り上げている要因も分類分けすることで、「人が生きること」を広い視点から総合的に理解することを目指しているのです。
(※注1) 現段階では「個人因子」は分類分けされていません。
ICIDHからの歴史的変遷
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10417000433
ICFの考え方はどのようにして生まれてきたのでしょうか。ここではICFを理解するのに欠かせない「ICIDH(国際障害分類)」という考え方について触れながらご説明します。
ICIDHとは International Classification of Impairments, Disabilities and Handicapsの略で日本名を国際障害分類と言います。ICFと同じくWHOによって定められ、ICFが採択される約20年前の1980年に作られました。
「生活機能」を分類しているICFに対してICIDHは、その名の通り「障害」を分類する分類法です。
障害を「心身レベルの障害」、「能力レベルの障害」、そして「社会レベルの障害」という3つのレベルに分類をしたことが画期的でした。
しかしICIDHの考え方には問題点が多く挙げられ、その中の一つとして「障害が直接的に社会的不利につながるという認識がなされてしまう」という問題点がありました。
本当であれば障害のある人が「買い物の困難さ」に直面する原因には、その人の抱える障害だけではなく、お店にエレベーターがないことや、途中で手を貸してくれる人がいないことなど、いろいろな要因が存在します。ところがICIDHでは、障害があることが「買い物の困難さ」という社会的不利を生み出す唯一の原因としてとらえられてしまう危険性があったのです。
そこで考え出されたのがICF(生活機能分類)です。その人の生活機能を、障害だけではなく環境を含めた広い視点からポジティブな視点も含めてとらえることを目指して作られました。
医学と社会の「統合モデル」としてのICF
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これまでは人間の障害や生活機能を考える際に、「医学モデル」