ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!
つまり、脳や呼吸器、骨や皮膚など、身体の各部分の位置や大きさなどが分類されています。
◇活動と参加
活動とは、生活上の目的を持った具体的な行いのことを指しています。読むことや書くことに加え、コミュニケーションをとることや家庭生活を行うことなどがここに含まれます。
参加とは、家庭や社会などへの関わりのことを指しています。働くことやスポーツをすること、地域の中で何か役割を果たすことなどが、参加の中に含まれています。
ICFでは、活動と参加は「実行状況」と「能力」の2つにおいて評価することが大切だとしています。「実行状況」とは現在「している」活動であり、「能力」とはすることが「できる」活動です。
たとえば「調理」という活動に関して、それを現在の状況で実行しているかと、実行できる能力があるかは異なる場合があるでしょう。
両者をそれぞれで評価し、その程度の差をはかることは、その後の活動へのヒントにもなることがあるのです。
人がどのような状態で生きているか、どのような障害を感じながら生きているか、を判断するためには、どうしてそのような状況になっているのかを的確に判断する必要があります。ICFでは状況を作り出している要因を「環境因子」と「個人因子」に分けています。
ICFでは背景因子の中で「環境因子」のみを分類分けしていますが、評価の際にはプラスの状況とマイナスの状況どちらも評価できるようになっています。つまり、環境が生活機能に良い影響を与えている場合は「+0:促進因子なし」から「+4:完全な促進因子」の5段階で程度を評価することができ、逆に環境が生活機能にマイナスの影響を与えている場合は「.0:阻害因子なし」から「.4:完全な阻害因子」の5段階でレベルを評価することができます。
◇環境因子
環境因子は、人の生活機能に影響を与える外的な要因です。たとえば、建物の設備、交通機関のバリアフリー状況などの物的な環境が例として挙げられます。それだけではなく、環境因子には家族や友達、世間の人の目などの人的な環境や、医療や保健などのサービスも制度的な環境として含まれています。
◇個人因子
個人因子とは、その人に固有の特徴のことを指しています。この個人因子に関しては、現在のICFでは分類分けされていませんが、年齢や性別、民族などの基本的な特徴に加えて、社会的状況や人生体験なども、この個人因子として生活機能の分類に含めることができます。