ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!
と「社会モデル」という考え方が主流でした。
「医学モデル」では、病気やけがなどが直接障害を引き起こすものとして理解されるため、障害への対応には医療が必要不可欠なものとされています。一方で「社会モデル」では、障害が周囲の環境によって作り上げられるものとされているため、社会の環境を変えることが障害をなくすことにつながるとの考え方がされています。
ICFの考え方は、これまでの「医学モデル」と「社会モデル」を統合するものということができます。つまり、障害を個人と周囲の環境双方からとらえ、人間の状況を全体的に理解することを目指しているのがこのICFなのです。
ICFを構成する要素
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=28174007645
ICFでは人の生活機能を「心身機能・身体構造」、「活動と参加」という2つの要素から構成しています。そして、その生活機能に相互に影響を与えあう背景因子として「環境因子」と「個人因子」の2つを挙げています。
ここではそれぞれの要素がICFにおいてどのように説明されているか、そしてどのような項目のもとで分類分けされているかをご紹介します。
初めに、生活機能を構成している「心身機能・身体構造」と「活動と参加」の2つの要素についてです。
生活機能は初めにも触れたように、「人が生きていくこと」を指しています。反対に生活機能が制限されているとき、人の生活にはなんらかの「障害」が伴っているということができます。
ICFでは生活機能を構成している「心身機能・身体構造」と「活動と参加」に関する項目が合わせて1,000個以上存在します。「心身機能・身体構造」は「.0:機能障害なし」から「.4:完全な機能障害」までの5段階で評価され、「活動と参加」の部分は「.0:困難なし」から「.4:完全な困難」までの5段階で評価されます。それぞれの項目では機能や活動状況などが詳細に記載されていますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。
◇心身機能・身体構造
心身機能とは身体の生理的、心理的機能のことを指しています。見ることや聞くこと、呼吸をすることや音声を発することなどの能力がはかられるのがこの項目です。
身体構造とは、身体のそれぞれの器官や、肢体とその構成部分などのことを指します。