子育て情報『ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!』

2017年1月31日 07:50

ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!

ここで注意しておきたいのは、環境や個人的な要因が、生活機能にマイナスの影響を与えるものとしてのみとらえられるべきではなく、プラスの影響も与えるものとして理解される必要があるということです。


ICFの生活機能モデル

ICF(国際生活機能分類)とは?ICFの考え方からその活用法まで、分かりやすくご紹介します!の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038020260

以上で説明したように、ICFは人の生活機能を的確にとらえるための分類を提供しています。しかし、ICFの考え方を最大限に活用するためには「心身機能」や「環境」の状況をバラバラに評価するだけでは十分ではありません。

それぞれの項目を独立したものとして評価するだけではなく、各項目がどのように関わりあっているのか、どこを改善すれば生活機能がよりよい状況になるのか、を考えていくことがICFの考え方では重要です。そこで、ICFの要素の関係性を分かりやすく示したのが次のICFモデルです。


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Upload By 発達障害のキホン

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出典:障害者福祉研究会『ICF国際生活機能分類ー国際障害分類改訂版ー』2002年中央法規出版/刊

このモデルにおいて注目すべきなのは、それぞれの要素をつなぐ矢印が、すべて双方向に向いていることです。たとえば「エレベーターがない」という環境要因が「地域の活動に参加できない」という参加の制限につながる可能性がある一方で、「地域の活動に毎週参加している」という参加が「エレベーターの設置」という環境の変化につながる場合もあります。双方向の矢印はこのようなお互いが影響しあう可能性を示しているのです。また、この関係性は必ずしも2つの要素間での関わりのみではありません。1つの要素がもう1つの要素に影響を与え、さらに他の要素にまで影響を与えるという場合もあります。

たとえば、「点字ブロックの設置」という環境の変化が「駅まで一人で行くことができるようになる」といった活動の変化につながり、やがて「隣の駅で行われている講演会に一人で参加する」といった参加を促進することもあるかもしれません。さらに参加という体験がその人自身の自身につながれば、個人因子の変化が見られるようになるということも考えられます。このように、すべての因子がすべての因子に影響を与える可能性があるというのもICFの考え方の特徴です。

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