楽譜の読めないピアニスト。その姿を見て気づいた息子の困難と「好き」の大切さ。
発達障害の当事者が出る番組を前に、心に広がるモヤモヤ。
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発達障害に関するテレビ番組が最近増えてきましたね。7月にもTBS系「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」という番組で、発達障害のあるピアニスト、野田あすかさんの特集があったのが記憶に新しいと思います。
こうした番組が放送されることはとても嬉しい反面、実際に番組を見るのには少し勇気がいります。
それはおそらく、私の心の中で、隣の芝が青く見えてしまう気持ちがあるからなのでしょう。
正直なところ「発達障害と診断された我が子にも、キラリと光る才能が一つでもあれば・・・」と思うことがあります。
成功されている方やサポート環境が充実されている方を羨ましく思ってしまう気持ちもないわけではありません。
そんなときは、落ち着いてこんな考えを頭に思い浮かべるのです。
「自分たち家族と番組に登場する方々を比べて悲観する必要は1ミリもない。我が家とは違う苦労があり、今まで試したことのない工夫もしているのだから、自分でできることを探してみる気持ちで見てみよう。」
そうやって自分に言い聞かせてから「えいっ」と番組を見ることで、素直な気持ちで見られるようになる気がしています。
番組を見て気付いた「代替案に考えが及ばない」という特性
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387002373
今回の番組でとても参考になったのが、野田あすかさんが買い物をするシーンでした。
「スプーンの絵が描いてある砂糖を買ってきてね」と言われたものの、スーパーにはそのパッケージの商品が置いていなかったのです。
あすかさんは「違う砂糖を買って帰る」「母親に電話して聞いてみる」などの代替案を思いつくことができず、「どうしよう」と戸惑い泣いてしまいます。
この「代替案を思いつくことができない」という様子が発達障害の診断を受けている息子の日常と重なり、はっと気づいたことがありました。息子は勉強中に字を書き間違えると「あ、間違えちゃった、どうしよう」と言って焦って固まってしまいます。
最初は「消しゴムで消して書き直してみたらどうかな?」と丁寧に対応していても、「ママ、どうしよう、どうしよう」