筋緊張とは?制御メカニズム、筋緊張が保てないことで何が困るか、筋緊張を制御する固有感覚の鍛え方を解説
姿勢保持と筋緊張の関係
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就学期に達した子どもに、授業中に姿勢が崩れ机に頭を横たえたり、だらりと体を投げだすようにうつぶせたりして、まっすぐに姿勢を保って座ることができない子がいます。
また、椅子の背もたれに寄りかかり、下半身を前になげだすように座ってしまう子もおり、その態度が横柄で反抗的な態度だと受け取られてしまうこともしばしばです。しかし、それらの態度は精神的な要因ではなく、筋緊張などに由来する身体的な要因である可能性があります。
加えて、姿勢を保つ力が弱いと、体のバランスを保つため無意識のうちに他の筋肉に力が入りすぎてしまい、リラックスをすることがむずかしく疲れやすかったり、じっとしていることが辛く、多動となったりすることもあります。
こういった姿勢や態度が悪いように見える原因を、本人の性格のせいにされたり、家庭のしつけの問題として誤解されてしまうことも少なくありません。
ですが、その背景には、筋緊張を適切に維持したり変化させたりすることに課題があり、結果、姿勢や身体の動きにつまづきが起こっているという場合があります。
自分自身の体を感じ取る感覚である固有感覚が鈍感だと、筋肉や関節の動きを正しく感じることができず、筋緊張を調整することが難しくなり、安定した姿勢を保つことが困難になります。
筋や腱で受け取った自分自身の体に関する固有感覚の情報を、脳や脊椎といった中枢神経系が受け取り、今度は中枢神経系から筋肉への指示出しをするという、一連の流れがスムーズにいかないのです。
また発達障害のある子どもで姿勢を保つことに困難がある子の中には、自分の姿勢や体の動きを自覚しにくいため、そもそも正しい姿勢のあり方自体を分かっていない可能性もあります。
手先の不器用さも筋緊張と固有感覚が関係しているかも?
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手先の不器用さは、プリント類をきれいに半分に折ることができない、ボタンを留めたり靴ひもを結ぶことが苦手といった生活面でのつまづきや、鉛筆をしっかり持ったりコントロールしたりすることができず字がきれいに書けないといった学習面でのつまづきをもたらします。