発達障害の子どもとの夏休みはどう過ごす?よくあるお悩みと対処法5選!
起床・就寝時間や昼寝の時間など、睡眠は特に生活リズムが崩れるきっかけになりやすいので気をつけるようにしましょう。
また、夏は暑いため冷房の効いた室内で過ごす時間が増える子どもも多いと思います。ですが、それがきっかけで運動不足になって食欲や睡眠に悪影響が出ることもあります。暑いからといって家の中に居続けるだけでなく、夏のイベント参加も利用しながら適度に体を動かすことを心がけましょう。
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上野 一彦、月森 久江著『ケース別 発達障害のある子へのサポート実例集 小学校編』ナツメ社/2010
ここでは自閉症スペクトラム障害(ASD)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、学習障害(LD)の3つに関して、親と子どもが夏休みの時期に抱えやすい困りごとについて挙げていきます。
◇自閉症スペクトラム障害(ASD)
自閉症スペクトラム障害の特徴として、対人関係・社会性やコミュニケーション能力に障害があり、物事への強いこだわりが挙げられます。また感覚が過敏(または鈍麻)であったり、柔軟に思考することや変化に対処することが難しかったりするという特徴もあります。
夏休み期間では、次のような困りごとが起こることがあります。
・やるべきこと(宿題など)へ取りかかるための切り替えが難しい
・自由な時間に何をしてよいかわからない
・好きなことだけをひたすらやり続けてしまうなど
◇ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状があります。ADHDの子どもは夏休みの間、このような困りごとが考えられます。
・夏休みの宿題に取りかかろうとしても集中できない
・することがなく、ずっと家にいるとイライラしてしまう
・ケガや事故を顧みない行動をしてしまうなど
◇学習障害(LD)
学習障害は、全般的な知的発達に遅れはありませんが、読む・書く・聞く・計算などのある特定分野における理解・能力取得に極端な困難さがあります。学習障害の子どもは、その特性上、やはり夏休みの宿題に困ってしまうケースが多いようです。
・夏休みの宿題を自分の力で進めることができない(計算ドリル、漢字書き取りワークなど)
・特性ゆえに不得意な教科の宿題をやる気になれない
・絵日記や作文などで上手に物事を整理して書き出すことが難しいなど
発達障害がある子どもの場合、上記のような要因から困りごとが生じることがありますが、その子の特性を理解し、なぜその困りごとが起きるのかを考えることで、うまくいくことも多いのです。