起立性調節障害(OD)とは?診断基準・種類・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ
2)鉄欠乏性貧血、心疾患、てんかんなどの神経疾患、副腎、甲状腺など内分泌疾患など、基礎疾患を除外します。
3)新起立試験を実施し、以下のサブタイプを判定します。
(1)起立直後性低血圧(軽症型、重症型)
(2)体位性頻脈症候群
(3)血管迷走神経性失神
(4)遷延性起立性低血圧
http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm
起立性調節障害が疑われる場合、まずは他の病気が原因になっていないかを調べる必要があります。貧血や心臓の病気などでも、立ちくらみなどの似たような症状を起こすことがあるためです。
病気の有無を調べるためには、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などが必要に応じて行われます。この時点で原因となっている病気が分かれば、適切な治療を行うことで改善する可能性があります。
他の病気でないことが分かった場合、起立性調節障害と確定するために新起立試験が行われます。新起立試験とは、起立前後の血圧や心拍数がどのくらい変化するかを見る検査のことです。
この変化の度合いによって、起立性調節障害の中でどのサブタイプに属するか、重症度はどのくらいかを見ることができます。
起立性調節障害の4つのタイプ
新起立試験によって分類されるサブタイプは4つあります。それぞれのサブタイプについて、以下で説明していきましょう。
起立直後性低血圧は、立ち上がった直後に血圧低下や血圧回復の遅れが見られる状態のことを言います。通常、人間は立ち上がったときの血圧低下を予防するため、交感神経が活発になってノルアドレナリンという物質が出るようになっています。しかし、起立性調節障害の子どもは、このノルアドレナリンの分泌量が少ないために、血圧を維持することができないのです。
起立直後性低血圧と診断する具体的な値として、以下のような条件が定められています。
・起立後血圧回復時間≧25秒
または、
・起立後血圧回復時間≧20秒かつ、非侵襲的連続血圧測定装置で求めた起立直後平均血圧低下≧60%
軽症型の場合は、起立中に徐々に血圧が回復していきますが、重症型の場合は血圧低下が一定時間持続すると言われています。
体位性頻脈症候群の場合は、立ち上がるときに血圧低下が見られません。その代わり、心拍数に著しい増加が見られるのが、体位性頻脈症候群です。立ち上がったときに、下半身に血液がたまっていると、上半身の血液量が少なくなるため、心臓の動きは遅くなります。