起立性調節障害(OD)とは?診断基準・種類・治療法・相談先・周囲の対応法まとめ
この動きを維持しようとするため、心拍数が速くなってしまうのです。
具体的な数字としては、以下のように定められています。
・軽症〜中等症: 起立時心拍数≧115または心拍数増加≧35
・重症: 起立時心拍数≧125または心拍数増加≧45
起立直後性低血圧や遷延性起立性低血圧といった、別のサブタイプと合併していることもあります。
血管迷走神経性失神は、起立中に突然血圧が下がって意識レベルが下がったり、意識を失ったりする状態を指します。立ち上がったときに、静脈を流れる血液量が少なくなって、心臓が激しく動くようになると、反射的に自律神経が興奮し、活動を止めてしまうことがあります。その結果起こるのが、血管迷走神経性失神なのです。ひどい場合には、心停止することもあるとされています。
軽症であれば、約4割の人が大人になるまでに経験すると言われており、治療をする必要がないことも多いです。
しかし、起立直後性低血圧や体位性頻脈症候群と合併していることもあり、その場合には治療が必要となります。
遷移性(せんいせい)起立性低血圧は、起立直後の血圧や心拍数は正常であるものの、3〜10分たってから血圧低下(収縮期血圧が横になっているときの15%以上、あるいは20mmHg以上の低下)が見られるというものです。軽症であれば日常生活への影響は少ないものの、中等症ではやや影響が見られるようになり、重症ではほぼ毎日支障をきたすようになります。
起立性調節障害の多い年代
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10248002374
起立性調節障害は、思春期特有の病気と言われています。発症する年齢は10〜16歳が多く、小学生の約0.5%、中学生の約10%にこの病気があるとされています。男女比で見ると女子の方が多く、男子よりも1.5〜2倍多いです。
http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm
出典:起立性調節障害(OD)|日本小児心身医学会
起立性調節障害の合併症
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10417007789
起立性調節障害の合併症としては、以下のようなものが挙げられます。
・身体面: 睡眠障害、ときに痙攣を伴う失神、著しい頻脈
・心理面、行動面:: 集中力や思考力の低下、日常生活の活動量の低下、長期間にわたる欠席
また、発達障害のある子どもが起立性調節障害を発症することも少なくありません。