2018年8月19日 08:00
発達障害の息子を抱え、本を読み漁ったあの日――今、読み返して気づく、私の成長
という感じでした。
けれども当時、私は連日の息子の癇癪とこだわりの強さや偏食に、毎日途方に暮れていました。息子は可愛かったけれど、育児は常に不安がベースにありました。幼稚園入園にあたっても、あれもこれもできないんじゃないだろうか…と不安ばかりが頭にありました。
息子の多動が酷かったために家の外に出るのも面倒で、毎日のように発達障害についての本やネット情報を読み漁っていたものです。
将来に希望は持てませんでした。他の子とうまくやっていけるのか、小学校に入るまでに座って勉強ができるようになるか、大人になって普通に就職できるのか…。ごくごく当たり前に子どもの成長を願うその時期に、私は目の前の不安で押しつぶされていました。
息子の困り感や特性の強弱は、成長と共に次々と移り変わっていきました。さまざまな工夫により目立たなくなってきたと思えば、今度は新しい問題が出てきたり。それに必死に対処したり支援したりしているうちに、気づいたら本人がそれを克服する力をつけていたり。とにかく、息子も私も「今この瞬間」だけを見て生きてきたのでした。
そうしているうちに、幼少期のころの「なんで?どうしてなの?」という行動は減ってきていました。
そして、息子への育児は「不安」ベースではなく、「楽しみ」ベースになってきていることに気づきました。これは、大きな変化だったと思います。
「今この瞬間」が、いつか「物語」になる
Upload By 林真紀
そうして、目の前の育児に走り抜けた日々。
息子は今、8歳になりました。
あのころ悩んでいたいろいろな特性は、療育や成長のおかげで、息子自身でコントロールすることができるようになっています。癇癪を起こすこともなくなりました。イライラしやすいところはありますが、自分でちゃんとそれを周りに訴えることができます。また、触覚過敏や味覚過敏についても、「無理はしない」というスタンスでお互いいるため、特別悩んだことはありません。「無理はしない。でも頑張れるところは頑張る」という感じです。
ああ、息子可愛い、とやっと余裕を持って思えるようになりました。
最近頭を巡らすのは、学習のこと、そして、友達関係のこと。実際、不安が強すぎたり、お友達とのコミュニケーションがうまくいかず、登下校で介入が必要だったときが何度もあったり、幼少期にはなかった課題も次々に出てきますが、息子と一緒に試行錯誤しながら、丁寧につき合っていっています。