子育て情報『コントロールを外れて暴れる体と、終わりのない追いかけっこー『どもる体』伊藤亜紗さん×発達ナビ編集長』

2018年7月30日 10:00

コントロールを外れて暴れる体と、終わりのない追いかけっこー『どもる体』伊藤亜紗さん×発達ナビ編集長

小学校3、4年のころは、クラスのやんちゃな男子とかに真似されるようなことはあったけど、普通に言い返していましたし。しゃべりにくい感じはあっても、吃音という言葉も知らなかったので、他人と比較してどうこうじゃなく、自分のしゃべりは「そういうものだ」ぐらいに思ってました。

むしろ、大学で教職について最初のころの方がきつかったです。就職して半年は「東京工業大学の伊藤です」という自己紹介がうまく言えなかったんですよ。それはきっと、就職するとか、組織に入るっていうことに納得していなかったんですね。自己紹介すらポジショントークに思えるっていう(笑)

身体の研究をしているのに、就職するとこんなに自分の体を持っていかれるのかって思いました。多分、変化があるとちょっと暴れるんですよ、体が。

コントロールを外れて暴れる体と、終わりのない追いかけっこー『どもる体』伊藤亜紗さん×発達ナビ編集長の画像

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鈴木: あー、それ、わかります!自分の所属とか立ち位置にしっくり感が足りないとき、自己紹介がすごく難しくなるんですよね…。
そのくせ、環境に慣れてくるころには飽きてきちゃって、また新しい環境に飛び込もうとする、みたいな我ながらめんどくさい習性も持っているんですけど(笑)

伊藤: 飽きちゃうんですね(笑)でも、私もそれまでの「スタンダード」を変えてみるということは好きです。絶対食べなかったものを食べてみるとか、聴いている音楽を変えるとか…。あえて自分から変化を起こして体の状態を変えるんです。変化に弱い部分と、変化をさせるのが好きという部分があるのは不思議ですね。

鈴木: 変化する・しないの二者択一ってことではなさそうですよね。会社で働いていると、自分で提案・希望して仕事を勝ち取る側面と、「これ、やってみてよ」と他人から仕事が振られる側面と、両方ありますよね。で、他人から、つまり自分の「コントロールの外側」から仕事がやってくるときって、最初は「えー、できるかな…」と不安になったり、それこそ体が暴れたりすることもあるんですけど…

伊藤: ええ。

鈴木: 自分をよく見てくれている人がくれる仕事って、自分の枠を広げるのにちょうど良いチャレンジだったりすることも往々にあって。
「やだなぁ」って思いながらやってみたら、だんだん楽しくなってきたり、「あれ、もしかして向いてるかも?」と新しい自分を発見できたりもするんですよね。

だから最近では、変化すること自体への恐れは薄れてきたように思います。

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