約600名が回答「子どもとゲームに関するアンケート」の結果は!?わが子はゲーム障害!?と悩む家庭の、お悩みから対応策まで!
2018年6月27日から7月16日に、LITALICO発達ナビでは「子どもとゲームのつきあい方についてのアンケート」を行いました。ゲームを使用するお子さんを持つ683名の保護者の方々が回答し、うち618名が「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」と回答しました。
この記事では、アンケートによる調査結果の一部を抜粋し、専門家による対応策についてのアドバイスも加えて、お伝えします。
<調査対象について>
「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の保護者の中から「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」618名の回答を集計しました。(調査期間:2018年6月27日~7月16日)
※設問によっては618名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。
※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。
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小学生が約55%、中学生が約29%で多くをしめました。
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8割以上の子どもが小学校低学年や未就学であるときからゲームの使用を始めているとの回答でした。
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また、保護者の半数以上は、小学校高学年になる以前から子どものゲーム使用について問題に思い始めていることが分かりました。
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ゲームに触れるきっかけとして多いのは、
1位周囲の人の影響(親、兄弟、友達など)
2位プレゼント
3位空き時間(不登校、入院中、移動時など)
が挙げられていました。
周囲の人の影響では、「親が遊んでいるのを見て」、「学校でみながゲームの話題をし始めたから」、「周りのお友達もゲームを持ち始めて、自分も欲しいと言い出した。」、「上の子が使っているのを見て一緒にやっていた」などがありました。
プレゼントでは誕生日やクリスマス、子どもが何かを頑張ったご褒美としてゲームをあげる方が多くいました。
さらに、空き時間でのゲーム使用に関しては、不登校や、引っ越しや移動の際の暇つぶし、病院での空き時間などで子どもが手にしているという回答がありました。
また、ゲームの種類は、インターネットにつないで使用するオンラインゲームが約70%、ネットを介さない家庭用のゲーム機の使用が約60%と多くの方がこの2つを使用していることがわかりました。
ゲーム使用の頻度は8割以上が「ほぼ毎日」、1日あたりの使用時間は「1~3時間以上」が約4割
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約85%の子どもたちが、ほぼ毎日ゲームを使用していることが分かりました。
さらに使用時間は、
■1~3時間が約38%
■3~6時間が約33%
と、多くの時間を費やしていることが分かります。
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1.自分でゲームとの関わりをコントロールできている、2.長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている、3.ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている、いずれの状態かを聞いたところ約55%が「長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている」、約36%を超える子どもが「ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている」というアンケート結果でした。
没頭するようになったきっかけ・心当たりとしては、学校でのストレスや不登校、友人関係がうまくいかないことやオンラインでの交流の方を好む傾向があるため、という回答が多くみられました。また、過集中などの発達障害の特性が影響していると考えている保護者もいるようです。
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上記のグラフにある通り、「勉強が手につかない」が383人と最も回答数が多く、朝起きられない、お風呂に入らない、食事をとらない、昼夜逆転など、基本的な生活習慣に影響があるという回答も多く挙げられました。
ものに当たる・壊す、家族への暴力などの問題が挙げられている点も無視できません。
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子どものゲームの使用に関して、保護者の方々は上記のような悩み・心配ごとを抱えています。
具体的なエピソードとしては次のようなものが寄せられました。
〇本人に問題意識がない
「1年前までは、ネット依存外来に半ば強引に通院させていましたが、本人の否認が強く、医師も治療の手立てが無く、悪化するばかりで、現在大学も休学して、家族とも話さず昼夜逆転でゲームしているので、通院もさせる事も出来ず、途方に暮れています。」
「タブレットを触っていると、会話もなくなります。でも本人はそれを問題だとは思っていません。」
〇将来が不安
「どうやったらゲームの優先順位を下げれるでしょうか。やるべき事を終えればゲームしてもいいと言っていますが、ゲームが最優先で勉強をしなければならないと思っていない様子で心配しています。」
「ゲームを生活の最優先にしていることが悩みです。一方で、ネットゲームの仲間とスカイプで楽しそうに会話しているのを見ると、学校にはない、本人にとっては心の許せる大切な友達なのだとも思います。来年は中学3年生で受験と向き合わなければいけませんが、このままでは志望校に合格するのは難しいです。本人の気持ちも大事にしたいですが、どうしたら勉強にも向き合ってくれるかが悩みです。」
〇目が悪くなる
「家族が寝静まるまで待ってからゲームを始めます。寝たふりをしているので真っ暗な部屋でゲームをしていて、これはマズイと思いました。」
〇言葉が乱暴になっている
「そろそろゲームをやめる様に声かけすると暴言をはきます。」
「ゲームで勝てないと本気で泣いて暴言を吐いて暴れだします。」
〇食事睡眠をとらず健康に影響が出ている・出そう
「土日になると前日遅く寝ても朝、早く起きてゲームをします。私が何も言わなければ飲食もせずにゲームを一日中続けています。
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約76%が現在ゲームの使用に関して対策や工夫をしています。また、行っている対策は、次のような結果でした。
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具体的な対策の内容として寄せられたものの中から、一部を紹介します。
■ルールの決め方の工夫
「ゲームの時間を決めても辞められないため、勉強の時間を決めてその時間はやらないようにしました。自分で決めた時間なので、声をかければ何とか時間内に宿題に取り掛かれるようになりました。」
「本人も交えて話し合い、守れそうな時間制限をルールにしたので、自分から意識して止めることがほぼ定着しました。」
■専門家に指摘してもらう
「子どもがゲームをやり過ぎているために、生活の管理ができていない事をカウンセラーの方から話していただき、元々の不登校の原因である起立性調節障害の回復が遅れる事を指摘していただきました。家族からの指摘より、専門家にお話ししていただく方が具体的でピンポイントだったので、子ども自らが進んで生活表を作って頑張ろうとしています。」
「病院で決められたことなので、子ども自身がタイマーを使って時間を守っています。」
■ゲーム以外に興味を引き出す
「学校へはいけないので、放課後等デイサービスで体を動かすようにお願いしています。するとデイサービスが本人にあっていたのか、その時間はゲームから離れられるようになりました。」
「月に2回程度スポーツ教室に通い始めました。本人なりに楽しそうに取り組んでおり、体を動かした日の夜は朝まで熟睡しています。」
■家族も一緒にやる
「一緒にゲームをすることで、親もキャラクターを覚えました。
■気づかせる
「ゲームをしている時間を細かく書き、本人に知らせるとすんなりゲームをやめられました。ただ、1分でも間違えたら怒ったりもします。ゲームを使用している時間を細かく書いて知らせることで、子どもは長い時間使用していると理解し、一定の時間でやめてくれるようになりました。毎回ではないですが、すごい進歩です。」
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7割近くが子どものゲームの使用に関して誰かに相談しています。
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具体的な相談相手としては次のような結果となりました(複数選択あり)。
■医者、専門家(235名)
■家族(207名)
■友達(112名)
■スクールカウンセラー(96名)
医者や専門家、学校などで子どもを見守るスクールカウンセラーなどの第三者に相談をしている方が多くみられました。
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医者や専門家に聞いてみたいこととして、上記のような内容が希望として挙げられました。
すでに改善しようと多くの保護者が取り組んでいますが、それぞれのお子さんに合う解決策が分からないという人も少なくありません。そこで、具体的な質問内容から、鳥取大学の井上雅彦先生に対応策を伺いました。
時間制限がしづらいスマートフォンとのつきあい方に悩んでいるという場合については
「コミック本やテレビと違い、ゲームやスマホは終わりがないので依存が生じやすくなりがちです。依存しすぎる前に、自分の力で管理できるように環境を整える必要があります。
ルールの決め方の基本は
1. 子ども参加でつくる
2. 無理のない具体的な使用時間を決める
3. ゲーム機やスマホは親の目の届くところで使う
4. (ルールを適用する)期間を設定する(例:1日間、1週間など)
5. 守れたらほめる
でも、ゲームをやめて、その分勉強をしろというのはハードルが高すぎるかもしれません。
まずは、ゲーム以外の趣味を増やす、ゲームと少し距離を持つことができるようにしましょう。刺激を求める子どもの場合は、ゲーム以上にワクワクできる体験(アウトドア体験、映画館で映画を観る、一人旅、高校生以上ならアルバイトなど)の機会をつくるのもいいですね。好きなことが増えることで、ゲームがなくても大丈夫な時間が生まれ、その時間を勉強に向けることもできるようになっていきます。
また、頭痛や不眠など、ゲーム依存による身体症状が出てしまっている場合は、それを話し合いのチャンスとし、主治医や専門家の協力を得て、ルールづくりをできるとよいでしょう」
ゲームによる勉強への影響に悩んでいる場合については
「まず、志望校合格までの計画づくりを一緒にします。そのために、ゲームの時間をどう管理すべきかを考えさせます。ゲームを一方的に取り上げるのではなく、自分で管理できるようにする必要があります。
目の前にあるとどうしても手に取ってしまうと本人が考えるのであれば、保護者が管理するとか、子どもの部屋には置いておくけれどカバンに入れて部屋の隅に置くなど、すぐには手に取れない状態にします。少しずつ離していけるようにしてみると、管理ができるようになっていくと思います」
子どもに対してだけでなく、夫への対応や、夫から子どもへどう接してもらったらいいかについて悩んでいるという場合については
「夫に対して、感情的にコミュニケーションすると、夫はゲームをしている自分を責められているように感じてしまいがちです。
”子どもはゲームを毎日○時間やっている”という現状があり、そのため”勉強をまったくしない”というように、何が起きていて、どう支障が出ているのかを具体的に伝えることが大切。父親が子どものゲーム仲間になること自体はいいけれど、子どもが勉強する時間に横でゲームをやるのは控え、自室で楽しむなど、子どもへの影響を考えた具体的な関わり方を話し合う必要があります」
また、「母親もゲームをやってみて、”なかなかやめるのが難しい”ことを実感し、子どもの立場に立って”どうしたらやめられるか”を一緒に考え、約束をつくっていくのもいいでしょう」とのアドバイスもいただきました。
今回アンケートをとってみて、ゲームが身の回りにあるのが当たり前な環境にいるお子さんに対して、ゲームとの適切な関わりの示し方に悩まれている保護者の方々が多く見受けられました。LITALICO発達ナビでは、今後子どもとゲームとの関わりについて記事を掲載していきます。
専門家の視点やすでに取り組まれている方々の声も取り入れながら、子ども一人ひとりに合った関わり方ができるようになることを願っています。
この記事では、アンケートによる調査結果の一部を抜粋し、専門家による対応策についてのアドバイスも加えて、お伝えします。
<調査対象について>
「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の保護者の中から「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」618名の回答を集計しました。(調査期間:2018年6月27日~7月16日)
※設問によっては618名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。
※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。
ゲームの使用が心配な子どもの年齢は?
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小学生が約55%、中学生が約29%で多くをしめました。
8割以上の子どもが小学校高学年になる以前にゲームを始めている
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8割以上の子どもが小学校低学年や未就学であるときからゲームの使用を始めているとの回答でした。
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また、保護者の半数以上は、小学校高学年になる以前から子どものゲーム使用について問題に思い始めていることが分かりました。
7割以上が、問題が1年以上続いていると回答
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ゲームに触れるきっかけとして多いのは、
1位周囲の人の影響(親、兄弟、友達など)
2位プレゼント
3位空き時間(不登校、入院中、移動時など)
が挙げられていました。
周囲の人の影響では、「親が遊んでいるのを見て」、「学校でみながゲームの話題をし始めたから」、「周りのお友達もゲームを持ち始めて、自分も欲しいと言い出した。」、「上の子が使っているのを見て一緒にやっていた」などがありました。
プレゼントでは誕生日やクリスマス、子どもが何かを頑張ったご褒美としてゲームをあげる方が多くいました。
さらに、空き時間でのゲーム使用に関しては、不登校や、引っ越しや移動の際の暇つぶし、病院での空き時間などで子どもが手にしているという回答がありました。
また、ゲームの種類は、インターネットにつないで使用するオンラインゲームが約70%、ネットを介さない家庭用のゲーム機の使用が約60%と多くの方がこの2つを使用していることがわかりました。
ゲーム使用の頻度は8割以上が「ほぼ毎日」、1日あたりの使用時間は「1~3時間以上」が約4割
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約85%の子どもたちが、ほぼ毎日ゲームを使用していることが分かりました。
さらに使用時間は、
■1~3時間が約38%
■3~6時間が約33%
と、多くの時間を費やしていることが分かります。
ゲームへの没頭度合いは?
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1.自分でゲームとの関わりをコントロールできている、2.長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている、3.ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている、いずれの状態かを聞いたところ約55%が「長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている」、約36%を超える子どもが「ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている」というアンケート結果でした。
没頭するようになったきっかけ・心当たりとしては、学校でのストレスや不登校、友人関係がうまくいかないことやオンラインでの交流の方を好む傾向があるため、という回答が多くみられました。また、過集中などの発達障害の特性が影響していると考えている保護者もいるようです。
ゲームに熱中することで、勉強や生活に問題が出ている子どもも
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上記のグラフにある通り、「勉強が手につかない」が383人と最も回答数が多く、朝起きられない、お風呂に入らない、食事をとらない、昼夜逆転など、基本的な生活習慣に影響があるという回答も多く挙げられました。
ものに当たる・壊す、家族への暴力などの問題が挙げられている点も無視できません。
保護者の悩みごととは?
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子どものゲームの使用に関して、保護者の方々は上記のような悩み・心配ごとを抱えています。
具体的なエピソードとしては次のようなものが寄せられました。
〇本人に問題意識がない
「1年前までは、ネット依存外来に半ば強引に通院させていましたが、本人の否認が強く、医師も治療の手立てが無く、悪化するばかりで、現在大学も休学して、家族とも話さず昼夜逆転でゲームしているので、通院もさせる事も出来ず、途方に暮れています。」
「タブレットを触っていると、会話もなくなります。でも本人はそれを問題だとは思っていません。」
〇将来が不安
「どうやったらゲームの優先順位を下げれるでしょうか。やるべき事を終えればゲームしてもいいと言っていますが、ゲームが最優先で勉強をしなければならないと思っていない様子で心配しています。」
「ゲームを生活の最優先にしていることが悩みです。一方で、ネットゲームの仲間とスカイプで楽しそうに会話しているのを見ると、学校にはない、本人にとっては心の許せる大切な友達なのだとも思います。来年は中学3年生で受験と向き合わなければいけませんが、このままでは志望校に合格するのは難しいです。本人の気持ちも大事にしたいですが、どうしたら勉強にも向き合ってくれるかが悩みです。」
〇目が悪くなる
「家族が寝静まるまで待ってからゲームを始めます。寝たふりをしているので真っ暗な部屋でゲームをしていて、これはマズイと思いました。」
〇言葉が乱暴になっている
「そろそろゲームをやめる様に声かけすると暴言をはきます。」
「ゲームで勝てないと本気で泣いて暴言を吐いて暴れだします。」
〇食事睡眠をとらず健康に影響が出ている・出そう
「土日になると前日遅く寝ても朝、早く起きてゲームをします。私が何も言わなければ飲食もせずにゲームを一日中続けています。
ゲーム時間をどのように減らしていければよいのか悩んでいます。」
家庭ではどんな対策をしている?
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約76%が現在ゲームの使用に関して対策や工夫をしています。また、行っている対策は、次のような結果でした。
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具体的な対策の内容として寄せられたものの中から、一部を紹介します。
■ルールの決め方の工夫
「ゲームの時間を決めても辞められないため、勉強の時間を決めてその時間はやらないようにしました。自分で決めた時間なので、声をかければ何とか時間内に宿題に取り掛かれるようになりました。」
「本人も交えて話し合い、守れそうな時間制限をルールにしたので、自分から意識して止めることがほぼ定着しました。」
■専門家に指摘してもらう
「子どもがゲームをやり過ぎているために、生活の管理ができていない事をカウンセラーの方から話していただき、元々の不登校の原因である起立性調節障害の回復が遅れる事を指摘していただきました。家族からの指摘より、専門家にお話ししていただく方が具体的でピンポイントだったので、子ども自らが進んで生活表を作って頑張ろうとしています。」
「病院で決められたことなので、子ども自身がタイマーを使って時間を守っています。」
■ゲーム以外に興味を引き出す
「学校へはいけないので、放課後等デイサービスで体を動かすようにお願いしています。するとデイサービスが本人にあっていたのか、その時間はゲームから離れられるようになりました。」
「月に2回程度スポーツ教室に通い始めました。本人なりに楽しそうに取り組んでおり、体を動かした日の夜は朝まで熟睡しています。」
■家族も一緒にやる
「一緒にゲームをすることで、親もキャラクターを覚えました。
その上でゲームとのかかわりについて注意をしました。親も一緒にゲームを楽しみ、コミュニケーションを取ってから、決まりについて話したところ、徐々に子どもも聞いてくれるようになりました。」
■気づかせる
「ゲームをしている時間を細かく書き、本人に知らせるとすんなりゲームをやめられました。ただ、1分でも間違えたら怒ったりもします。ゲームを使用している時間を細かく書いて知らせることで、子どもは長い時間使用していると理解し、一定の時間でやめてくれるようになりました。毎回ではないですが、すごい進歩です。」
6割以上が相談相手がいる
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7割近くが子どものゲームの使用に関して誰かに相談しています。
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具体的な相談相手としては次のような結果となりました(複数選択あり)。
■医者、専門家(235名)
■家族(207名)
■友達(112名)
■スクールカウンセラー(96名)
医者や専門家、学校などで子どもを見守るスクールカウンセラーなどの第三者に相談をしている方が多くみられました。
専門家によるアドバイスを紹介!「ゲームにまつわる悩み」どう対処する?
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医者や専門家に聞いてみたいこととして、上記のような内容が希望として挙げられました。
すでに改善しようと多くの保護者が取り組んでいますが、それぞれのお子さんに合う解決策が分からないという人も少なくありません。そこで、具体的な質問内容から、鳥取大学の井上雅彦先生に対応策を伺いました。
時間制限がしづらいスマートフォンとのつきあい方に悩んでいるという場合については
「コミック本やテレビと違い、ゲームやスマホは終わりがないので依存が生じやすくなりがちです。依存しすぎる前に、自分の力で管理できるように環境を整える必要があります。
ルールの決め方の基本は
1. 子ども参加でつくる
2. 無理のない具体的な使用時間を決める
3. ゲーム機やスマホは親の目の届くところで使う
4. (ルールを適用する)期間を設定する(例:1日間、1週間など)
5. 守れたらほめる
でも、ゲームをやめて、その分勉強をしろというのはハードルが高すぎるかもしれません。
まずは、ゲーム以外の趣味を増やす、ゲームと少し距離を持つことができるようにしましょう。刺激を求める子どもの場合は、ゲーム以上にワクワクできる体験(アウトドア体験、映画館で映画を観る、一人旅、高校生以上ならアルバイトなど)の機会をつくるのもいいですね。好きなことが増えることで、ゲームがなくても大丈夫な時間が生まれ、その時間を勉強に向けることもできるようになっていきます。
また、頭痛や不眠など、ゲーム依存による身体症状が出てしまっている場合は、それを話し合いのチャンスとし、主治医や専門家の協力を得て、ルールづくりをできるとよいでしょう」
ゲームによる勉強への影響に悩んでいる場合については
「まず、志望校合格までの計画づくりを一緒にします。そのために、ゲームの時間をどう管理すべきかを考えさせます。ゲームを一方的に取り上げるのではなく、自分で管理できるようにする必要があります。
目の前にあるとどうしても手に取ってしまうと本人が考えるのであれば、保護者が管理するとか、子どもの部屋には置いておくけれどカバンに入れて部屋の隅に置くなど、すぐには手に取れない状態にします。少しずつ離していけるようにしてみると、管理ができるようになっていくと思います」
子どもに対してだけでなく、夫への対応や、夫から子どもへどう接してもらったらいいかについて悩んでいるという場合については
「夫に対して、感情的にコミュニケーションすると、夫はゲームをしている自分を責められているように感じてしまいがちです。
”子どもはゲームを毎日○時間やっている”という現状があり、そのため”勉強をまったくしない”というように、何が起きていて、どう支障が出ているのかを具体的に伝えることが大切。父親が子どものゲーム仲間になること自体はいいけれど、子どもが勉強する時間に横でゲームをやるのは控え、自室で楽しむなど、子どもへの影響を考えた具体的な関わり方を話し合う必要があります」
また、「母親もゲームをやってみて、”なかなかやめるのが難しい”ことを実感し、子どもの立場に立って”どうしたらやめられるか”を一緒に考え、約束をつくっていくのもいいでしょう」とのアドバイスもいただきました。
まとめ
今回アンケートをとってみて、ゲームが身の回りにあるのが当たり前な環境にいるお子さんに対して、ゲームとの適切な関わりの示し方に悩まれている保護者の方々が多く見受けられました。LITALICO発達ナビでは、今後子どもとゲームとの関わりについて記事を掲載していきます。
専門家の視点やすでに取り組まれている方々の声も取り入れながら、子ども一人ひとりに合った関わり方ができるようになることを願っています。