子育て情報『話題の本『学校に行きたくない君へ』。横尾忠則さん、樹木希林さんら著名人への体当たり取材の裏側、込めた想い。不登校新聞編集長に聞いた』

2018年9月27日 08:00

話題の本『学校に行きたくない君へ』。横尾忠則さん、樹木希林さんら著名人への体当たり取材の裏側、込めた想い。不登校新聞編集長に聞いた

昼夜逆転の生活をずっとしていると日付感覚がわからなくなって、「あれ、取材って今日だっけ」ということも起きます。

――ドタキャンがあった場合に、取材はどのようにしているのですか?

石井:現場に来ているみんなで粛々と取材をして、思いの丈を話すだけです。お休みした子には「残念だったね」という感じで終わり。だってこれは別に誰も咎を受ける必要がないですし、来られなかった本人が一番残念に思っているだけの話なんです。

でもそういうときに早く起きるための方法や、社会生活で行き詰まったときはこうすれば大丈夫とか、自分のやり方を見つけると思うんです。それは学びですよね。誰も損をしたわけではありません。誰も来られないという状況になっても私やスタッフが行くので取材にはなるんです。


――安心感がありますね。取材には複数の部員で行かれるんですね。

石井:そうですね。現代美術家の横尾忠則さんへの取材が今の子ども若者編集部の原型になっています。事前にみんなで打ち合わせをして複数の人と取材に行ったのは、横尾忠則さんへの取材が初めてでした。

というのも、横尾忠則さんへの取材の企画者は私でした。当時まだ19歳だったので、すごくぼんやりとした理由で取材をしてみようと思って企画書を出したんです。現代芸術の旗手と呼ばれている方だ、それぐらいの認識で取材をオファーしてしまったら、なんと快諾してくれました。
すると大人たちから「おまえ取材、本当に大丈夫なんだろうな!?」と、とても驚かれて。これはやばいと思って、不登校の友だちに頼み込んで9人で取材に行ったんです。このときの経験が、他の人と一緒に取材しようと思ったきっかけとなりました。

――取材をしていくなかで、編集部にきている子の変化は感じますか。

石井:一番感じるのは、1年くらいたつと言葉や喋り方が違うということですね。自分の言葉で語るようになります。最近は、「私は不登校の人のために役立ちたい」と言って来る子が多いんです。でも他の人の役に立つことは必要ない、まずあなたを救ってください、と伝えます。
そうしないと自分の本当の言葉が出てこないから。たとえば「不登校の人が行ける高校について記事にしたい」と言ってきても、「それは本当にあなたがやりたいことなの」と、どんどん話をしていくと、結果的には親子関係やいじめの話がでてくるんです。そうなったときは、記事にしよう、こちらが全面的にサポートしてよい記事にしようとします。

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