2019年12月16日 09:30
女性ならではの悩みにも切り込む!発達障害、PTSD、準ひきこもりーー暗黒の30年を生き抜いた私が「人間生活の攻略法」を伝える理由。『#発達系女子 の明るい人生計画』発売に寄せて
私はそう思い、次に、「ちょっと待って、私がやればいいんじゃない?」と気づきました。
どうしたらいいだろう? 同じように五里霧中を歩んでいる仲間に、自分が苦労して集めてきた、発達障害女性の役に立つ情報を届けるにはどうすればいいんだろう?
本を書くしかない、と思いました。
私はもともと、人の役に立ちたい気持ちの強いタイプでした。何度も何度も「支援者になろうかな」と考えたのですが、そのたびに、「良くも悪くも繊細すぎる私は、きっと人を直接に支援する仕事には耐えられないだろう」と諦めてきたのです。
幸い、私には文章が書けました。情報を集め、精査し、わかりやすく整理しなおして説明することが得意でした。なら、私が人の役に立てるとしたら、本を通して情報を渡すことなのではないか。
そんなわけで、『#発達系女子 の明るい人生計画』の企画が動き出しました。
Upload By 宇樹義子
説得力のある企画書を出して版元を納得させなければならなかったため、念入りに市場調査や競合調査をしました。調査する中で、自分の考えている「発達障害女性の実生活にきちんと役立つ情報をたっぷり盛り込んだ実用書」が、企画当時の日本には全く存在しないと言っていいことがわかりました。ニーズは確実にあるのに、それに応えてくれている本がない。
それなら、この本はなおさら、私が書かなければいけない ……そんな使命感のもと、企画から1年をかけて書き上げたのが、『#発達系女子 の明るい人生計画』です。
『#発達系女子 の明るい人生計画』では、メインの読者を「成人の発達障害女性」と想定しています。でも同時に、「生きづらさを感じている/助けや生活のための情報を必要としている女性全般」にも役立ててもらえるような内容を広く盛り込んでいます。
このため、この本は成人の発達障害女性以外にも、多くの人にお役立ていただけると思います。
子育てに困りごとを抱えている人、経済的な苦労のある人、仕事や家に困っている人、周囲からの加害に悩んでいる人、母子家庭で大変な日々を送っている人、自分の娘に発達障害があって将来が不安な人、発達障害のある中高生女子、などなど ……多くの仲間の姿を具体的に思い浮かべながら書き進めました。
自慢は分厚い巻末資料です。女性と子どもの支援に尽力されているソーシャルワーカーの鴻巣麻里香さんにご監修いただき、情報の正確性と網羅性を確保しています。