子育て情報『困っている子どもたちの「学力以前の力」を応援したい。遊び感覚で認知機能を鍛える「コグトレ・パズル」に込めた想いーー児童精神科医・宮口幸治先生』

2020年7月22日 17:00

困っている子どもたちの「学力以前の力」を応援したい。遊び感覚で認知機能を鍛える「コグトレ・パズル」に込めた想いーー児童精神科医・宮口幸治先生

これに答えるには、まず先生の話に「注意」を向けることが必要です。外を見ていたり、ノートにお絵描きをしていたりしては聞き取れません。

次に、先生の話したことをしっかり聞きとって「知覚」し、個数を忘れないように「記憶」します。また、先生の話した問題の「言語理解」も必要です。

さらに、ここから答えを考えていきますが、暗算するためにはほかに考えごとなどせずに「注意(集中)」する必要があります。


認知機能すべての力をフル稼働

最後に大切なのが、この問題では次の2通りの解釈ができることです。
「Aさんは誰かに4個の飴をあげたのか?」
「Aさんは誰かから4個の飴をもらったのか?」

いったい先生はどちらを意図したのか「判断・推論」する必要があります。
以上から、先生が口頭で出した問題を解くためには認知機能のすべての力が必要なのです。


もしその中の1つにでも弱さがあれば、問題を解くことはできません。学習につまずきを抱える子どもは、認知機能の働きのどこかに、または複数に弱さをもっている可能性があるのです。そのような弱さを見つけトレーニングしていくのが、コグトレなのです。


紙と鉛筆があれば始められるトレーニング

具体的には、「数える」「覚える」「写す」見つける」「想像する」という5つの分野を対象にしたトレーニングを行います。紙と鉛筆があれば、今日から始められます。

次に実際に、コグトレの問題をご覧いただきましょう(8月刊行の『医者が考案したコグトレ・パズル』より抜粋)。
まずは「写す」問題から。問題に取り組むことで、「見る力」の基礎力を強化していきます。
下の図は、「写す」問題の一部で、「点つなぎ」「くるくる星座」です。「点つなぎ」では正確に形を見る力、「くるくる星座」は考えながら見る力をつけていきます。
「写す」問題全体を通して、漢字の書き取りや図形問題の基礎力をつけるのに役立つでしょう。

見本の通りに点をつないで、上の絵を下に写します。
困っている子どもたちの「学力以前の力」を応援したい。遊び感覚で認知機能を鍛える「コグトレ・パズル」に込めた想いーー児童精神科医・宮口幸治先生の画像

Upload By 宮口幸治

上の星座と同じ形になるように、下の★〇●を線でつないでいきます。

困っている子どもたちの「学力以前の力」を応援したい。遊び感覚で認知機能を鍛える「コグトレ・パズル」に込めた想いーー児童精神科医・宮口幸治先生の画像

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次に「見つける」問題です。
この問題では、「見る力」の応用力を強化していきます。

下の図は、「見つける」問題の一部で、「黒ぬり図形」「違いはどこ?」題です。「黒ぬり図形」では形の輪郭を見る力、「違いはどこ?」

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