【書道家・武田双雲さん】多動、衝動、トラブルも多いけれど「自分が大好き」で、「唯一飽きないのは書道だけ」。根底にある親子関係、会社員時代の驚きエピソードも
「計画通り」はあり得ない。そもそも計画が立てられない!5秒後には違うこと考えているから
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牟田暁子編集長(以下――)双雲さん、ADHDの特性があるとお聞きしました。ご自身の特性について、教えてください。
武田双雲さん(以下、双雲):じっとしていませんね、とにかく。それと、どこかに行こうと思っても、すぐ行方不明になります。なんでも衝動的にやるから、計画通りに物ごとが進んだことが人生一度もない。計画することが無理というか、計画したとしても5秒後に違うことをしてる。
書道もお手本通りに書けないし、書こうとしても、二画目から違うことをやっちゃう。
――お話を伺っている今もですか?
双雲今は大丈夫、喋ってるからね。しゃべりながらめっちゃ動いてるでしょ。
――それは、子どものころから今まで変わらず?
双雲:変わらないですね。小学生のころ、授業中にカーテンが揺れているのを見て、カーテンとシンクロしてゆらゆら動いていたんです。風はまっすぐに吹いてくるのに、カーテンにぶつかると曲線になるのが不思議じゃないですか。だからカーテンの動きを真似て理由を考えていた。そうすると、「何をやってるんだ!」って先生に怒られて、「カーテンになってます」と答えたりしていました。
――もっと小さいころは?
双雲:幼稚園時代の記憶は一個もないですね。その瞬間の感情のまま動いてたんじゃないですかね。ひたすら明るい子だったらしいです。小学校5年生ぐらいまでは、記憶がないぐらい、多分、本当に楽しかったんだと思う。
――そうですか。中学時代以降はどんな感じでしたか?
双雲:高校でハンドボール部の試合の真っ最中に、「ああ、雲がきれいだなぁ」ってボーッと空見ていて、レギュラー外されたりだとか。一番怖い先輩に「何見てんだこの野郎!」ってからまれたときに、その人の目が茶色系であまりに綺麗で、「目がすっごく美しいです」って感動を伝えたら、気に入られたのか、何を言っても無駄だと思われたのかは分からないですが、それからもう全員に絡まれなくなっただとか、そんなことがありました。
大学受験も、家庭教師と一緒に賭けみたいにして勉強したヤマが当たって、模試ではずっとE判定だった東京理科大学に受かっちゃった。
運がいいんですよね。
――学校を卒業されてからは企業勤めされていましたよね。