子育て情報『【書道家・武田双雲さん】多動、衝動、トラブルも多いけれど「自分が大好き」で、「唯一飽きないのは書道だけ」。根底にある親子関係、会社員時代の驚きエピソードも』

【書道家・武田双雲さん】多動、衝動、トラブルも多いけれど「自分が大好き」で、「唯一飽きないのは書道だけ」。根底にある親子関係、会社員時代の驚きエピソードも

とか、「今、機嫌悪いんだ」とか、ちっちゃい自分が頭の上のあたりに浮かんでいて、自分を客観的に見ているんです。そいつが、僕を何のジャッジもせずにニコニコ見てくれる。

自分を客観的に見る自分が、自分を全肯定してくれる。だから安心して怒れるし、安心して落ち込めるっていうか。そのおかげでかなり楽ですよ。


ほめてほめてほめまくる両親に育てられ、ほめられネイティブになった

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――ご両親は、そんな双雲さんをどんなふうに育てられたんですか?

双雲:とにかくほめまくるんです。「天才!」とか「すごかー!」しか言われない。
今もそうですよ。もう、45歳なのに(笑)。会ったら1時間でも2時間でもずっと、さすがだ、すごいすごいって僕をほめ続けるんですよ。

――それは嬉しいですよね。

双雲:嬉しいもなにも、僕にとってはそれが普通のお父さんお母さん。これが日常で、「ほめられネイティブ」というか。でも、家庭の外では、学校時代も会社でも、怒られたりしましたけどね。

――そこまでほめられていたら、怒られても動じないんじゃないですか?

双雲:根底のところで「これでいい」と思っているから、全く平気ですね。
怒られても、その時は「怒られちゃったー、シューン…」となるんですけど、根っこが太いから大丈夫。

自信があるというのとも違って、自己肯定感がすごく高くて自分が大好きなだけ。誰かと比べてすごいとか優れているとか、思ったことはないです。勝とうとも思ったことない、勝ち負けにそもそもこだわらないし。

――誰かよりもすごいというよりは、自分は大丈夫、という感じですか?

双雲:そう、自分は大丈夫。それは何とかなるから大丈夫、というのとも違って、もう絶対的なものですね。

――こうして根っこがしっかりしたまま生きてこられたから、自分が輝ける道を見つけて、歩んでこられたんでしょうね。

双雲:そうですね。
発達障害の話って、凸凹の話じゃないですか。この凸凹が激しめで、凹の部分はドコーンと凹んでいて、どうやってもできないことがある。僕も、自分ができないほとんどのことは、全部周りの人がやってくれる。スケジュールや作品の管理は秘書がしてくれています。

凹っている部分が激しいことを「発達障害」というのならば、そこを平均的にしていくことなんてできない。

できるところを伸ばすしかない。

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