親元を離れてグループホームへ。喜びも苦労も分かち合いながら、自立して暮らせる今が幸せ――ウィリアムズ症候群・ADHD当事者の古澤瑛子さん【連載】すてきなミドルエイジを目指して
「今日は中華♡」とかって写真が送られてきて(笑)。
アコ:ふふふ(笑)。
高見澤:なかなか攻撃力のある「飯テロ」をしてくるんですよ(笑)。
アコ:でも今はApple Watchを買うために節約モードに入ってて…今日もカップ麺でした。
高見澤:耐え忍んでますね(笑)。でもほんとに、お金は楽しいみたいだね。
アコ:楽しいですね。なんか、初めてなんですよ。
ケータイを自分で選んで変えられるとか。
――自分でお金を稼いで、自分で使いみちを選べる。
アコ:そうそう、それは本当に感動しましたね。
高見澤:やっぱりお家にいる間は、全部親御さんがやってくださっていたんでね。このグループホームの個室の家具やカーテン、彼女は全部自分で決めたんですよ。いろんなお店を回って、毎回店員さんに詳しく説明してもらって、すっごく悩んで決めてって、もう大変で(笑)。「わたし、カーテン選んでいいんですか!?」ってすごく感動しててね。
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アコ:実家にいるときは、そんなことをやらせてもらえなかったんですよ。
高見澤:毎月、給料が入ってきたら「これがあなたのお給料です。どう使おうか」って、テーブルの上に出すんですよ。グループホームに生活費として入れる額をよけて、残りの中で「この中からあなたは今月いくら貯金したい?」「お昼にいくら使いたい?」「何かほしいものありますか?」って、毎回やるんだよね。
アコ:はい、そうです。先生と一緒にやってます。
高見澤:彼女、すごい悩んで吟味するので、いつも2時間から3時間かかりますよ(笑)。でも、自分でお金の使い方を決めるっていうのはほんとに楽しいみたいですね。
やっぱりどうしても親御さんがいると心配しちゃって「あなたのお小遣いはこれね」「だけどそれは買っちゃダメ」とか「ほしいんだったらお母さん買ってくるから」ってなっちゃってたので。
アコ:そうですね。お金以外でも、「どこどこ行ってくるよー」って外出するときも「1人で行かないで」って親が心配してついてくるというパターンがほとんどで。
――ご両親も心配ゆえなのでしょうけど、アコさんにとって「自分で決める」機会を持てたのは、大きな変化だったんですね。グループホームでの日々の暮らしについても教えていただけますか。
高見澤:ここは男性2人女性2人の、彼女を含めて4人で暮らしています。