睡眠薬「ロゼレム」はどんな薬?他の薬との違いは?使用方法や効果、副作用について詳しく解説します
ロゼレムとは

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=66270001511
ロゼレムは、不眠症で入眠に難しさを抱えている成人に処方される睡眠改善薬です。
不眠症とは、睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が現れる病気のことです。
不眠といっても症状はひとつではなく、4つのタイプに分けられます。眠りに就くことが難しい「入眠障害」、寝ている途中で何度も起きてしまう「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、睡眠時間は十分なのに睡眠の質が悪く休んだという実感が得られない「熟眠障害」です。
睡眠に問題があると、日中に眠くなってしまって勉強や仕事に集中できないなど、日中の活動にも影響を与えてしまいます。
さらに、発達障害のある人は幼少期から睡眠に問題を抱えることが多いことが分かっています。ADHDのある人の85%が日中の眠気か睡眠に問題を抱えていることも報告されています。睡眠の問題はADHDのある人だけでなく、自閉スペクトラム症のある人も同様に睡眠の問題を併せ持つ場合が少なくありません。
発達障害のある人の睡眠問題には、体内で分泌されるホルモン「メラトニン」が特に有効であると考えられており、ロゼレムはメラトニンと同じ働きで睡眠を改善する効果があります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23643650/
Sun Young Rosalia Yoon et al.(2013). Sleep and daytime function in adults with attention-deficit/hyperactivity disorder: subtype differences. Sleep Med . 14(7):648-55.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
厚生労働省『e-ヘルスネット不眠症』
どのような仕組みで効果があるの?
それではメラトニンは、睡眠にどのように作用するのでしょうか。睡眠には2つのメカニズムが関わっています。
ひとつめは「脳が疲れたから眠くなる」メカニズムです。起きて活動すればするほど脳は疲れ、老廃物の一種である睡眠物質が蓄積されていきます。