2021年9月10日 06:15
せっかく入った中学校なのに進路変更!? 発達障害長男の進路と勉強の悩み――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!
こういう時期は、親として静観してあげたいという気持ちがあるのですが、長男の特性を考えると「こっちより、あっちのほうがいいんじゃない?」と意見するのも親の支援だし、子どもへの理解でもあると考えています。
ただ、無下に否定するのではなく、「定食屋を開きたいならまずは料理する機会を増やしてみよう」と長男に提案をして、学校のお弁当を本人がつくるようにしたり、日曜の家族の昼食は長男につくってもらったり、と料理をする経験の場はつくるようにしています。
嫌がっている様子はないのですが、あまり本気ではないようにも見えます。
普段、長男が本気の場合は明らかに目がキラキラしているので…。
どうやら、進路に関しては「勉強への逃げ道」として利用しているようでもあるんです。本人も「勉強から逃げたい気持ちもある」と言っていました。
ほかの学校(高校)に変えたからといって、定食屋のスキルが身につくかと言われると疑問があるので「まずは今の学校に通い続けて、調理の専門学校にいく(大学は内部進学しない)のがいいと思うよ」と伝えてはいるのですが…。
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三木先生:勉強するしないに関しては、日本の教育就労システムが難しくしていますよね。
勉強がある程度できればOKで、勉強以外はOKとしない仕組みなので。
ただ、「定食屋」といった風に、内容で絞るのはそのあと仮に失敗したときに修正が難しくなると思います。
本人の意向も大事にしたいところですが、そこは大人が間に入ってうまくコントロールしてあげる必要がありそうですね。
子どもの進路への親子の向き合い方
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三木先生:例えば定食屋になって何を実現したいのか?もくもくと作業するのが好きなら料理じゃなくてもいいのでは。そこを大人と一緒に見極めていくことが重要だと思います。
方向性を見据えるために抽象度を上げた彼の願望を知って、理解したら親としてほかの選択肢も提示できると思います。一生懸命一緒に考えた結果、もし違う方向にいったとしても彼の気持ちがやわらかくなるのでは。
実は私は、もともと医者がやりたい訳じゃなくて、「困っているご家庭の方々を笑顔にしたい」というのが抽象的なモチベーションなんですよ。
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三木先生:今の年齢でもできる実践を積んでおいたり他者からの話を聞くのも良いと思います。