子育て情報『発達障害のある子には「インクルーシブ教育」が良いのか?誤解されやすい「みんなで一緒に」の落とし穴』

2021年10月13日 14:15

発達障害のある子には「インクルーシブ教育」が良いのか?誤解されやすい「みんなで一緒に」の落とし穴

日本語で言えば「そばで」「横に並んで」「隣に」という意味になります。

みんなで共に活動をしつつ、多様な子どもたちがそれぞれの興味や能力に合ったことを通じて学習している。例えば、走るのが速い子たちのそばで遅い子たちがサッカーをやったり、ドッジボールが得意な子のそばで苦手な子たちはやわらかいスポンジボールで楽しんだり…スポーツは本来楽しみながらやるものです。上手な人は上手な人なりの楽しみ方があり、苦手な人は苦手な人なりの楽しみ方があります。

子どもたち「みんな」を同じチームにせずに、あえて分けてもいいのでは、と思います。
あるいは、みんなが同じチームでプレイするときには、苦手な子がゴールを決めたら、得点が倍になるといったルールにしてもいいと思います。そのようなスタイルであれば、どんなタイプの子ものびのびと学習していけます。


「通常学級」か「特別支援学級」かという悩み

ところで、発達障害のある子どもの就学に際し、「通常学級」か「特別支援学級」(障害のある子ども向けに特別に設置された少人数学級)、どちらの学級に在籍するかで悩む親御さんは少なくないでしょう。
加えて、基本は通常学級に在籍しながら、一部の授業について障害に応じた特別の指導を受ける「通級」という選択肢もあります。

親御さんのなかには「定型発達の子どもたちと過ごすことがよい刺激になる」と考え、通常学級を選択する人もいます。
でも「よい刺激になる」と、はたして本当にそう言えるのでしょうか。

実際に通常学級に在籍した発達障害の当事者に、大人になってから学校生活を振り返ってもらうと、「自分一人が孤立しているように感じた」「先生や友達の態度や言葉にストレスを感じていた」「周りと同じようにできなくて迷惑をかけて心苦しかった」と答える人が大勢いました。そう言うのは通級などの配慮なしに通常学級に在籍した人たちです。


気をつけたい「間違ったインクルーシブ教育」

つまり、なにも配慮せずにただ通常学級に入れるというのは、子どもの自尊心や周りの人との人間関係を傷つけてしまいかねないことなのです。発達障害の特性が致命的な弱点になるのは、その特性を本人や周りの人が理解できず、無理を重ねて失敗や衝突を繰り返してしまったときです。

実は、発達障害の特性だけならば、比較的順調に過ごしている当事者が多いのです。
成長するにつれ二次障害を伴って苦しんでいるのは、無理を重ねて適切な環境で育てられなかった人たちに多いことを覚えておいていただけたらと思います。

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