子育て情報『第3回日本ダウン症会議・合同学術集会をレポート。自立していくため、保護者の不安と孤独を埋めるためにーー「つながる」の大切さとは』

2021年12月1日 06:15

第3回日本ダウン症会議・合同学術集会をレポート。自立していくため、保護者の不安と孤独を埋めるためにーー「つながる」の大切さとは


オンラインで開催された合同学術集会「つながる」

ダウン症を発見したジョン・ラングドン・ダウン博士の誕生日が11月18日であることから、日本ダウン症会議は11月中旬に開催されます。2017年の第1回から2年ごとの開催で、今回、第3回を迎えました。今回は初のオンライン開催。そして、第44回日本小児遺伝学会学術集会・第3回日本ダウン症学会学術集会とともに3会の合同学術集会「つながる」として、2021年11月12日(金)~14日(日)の間、開催されました。

埼玉県立小児医療センター遺伝科の大橋博文先生による、大会長講演「先天異常症候群の包括的支援」から内容を要約・抜粋します。


大会長講演より「病気について知ったときの不安や孤独を解消していくのは支援と『つながる』こと」

先天異常症候群、遺伝的な疾患はほんとうにさまざまなものがあります。埼玉県立小児医療センター遺伝科で2005~2015年に初診があったのは3518名、そのうちダウン症候群は934名でした。一方で、希少疾患に関しては、年間に1人しかいない病気や、診断がつかない病気も少なくありません。
もちろん、個々の疾患の治療法も大切ですが、同時に療育(医療)や、さらには地域・社会資源とどうつながっていくのか、ということが課題となります。

埼玉県立小児医療センターでは、病気が分かったときの病院の対応についての調査をしています。病院側の対応について、不満があると答えた保護者は約50%に上ります。また、体の合併症などについては、約8割の人が不安には感じているけれども、ほしかった情報に関しての順位は低く(回答は4割以下)、つまり、疾患そのものの情報提供はあるけれども、保護者の多くが知りたいのは、今後の心身の発達がどうなっていくのか、育児や療育の情報について、だということが分かります。

このことから同医療センターの取り組みとして、1989年(平成元年)から始まったのがダウン症候群総合支援外来(通称DK外来)です。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、臨床心理士といったスタッフによる勉強会、家族交流会などを実施して、生後1年にわたるサポートをしています。

このDK外来の参加者アンケートでは、「ダウン症のある子がたくさんいて、その親もたくさんいて、自分だけじゃないと思い、悲しさが薄れました」という声があがっています。

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