子育て情報『きょうだい児だから選ばれなかった?精神疾患、自殺未遂、父との離婚。重度自閉症の兄だけ連れていった母への思い』

2022年8月30日 06:15

きょうだい児だから選ばれなかった?精神疾患、自殺未遂、父との離婚。重度自閉症の兄だけ連れていった母への思い

「母が助かるだろうから、私は手のかからない子でいよう」と思って自分なりに頑張ってきたつもりでした。

それなのに、母は離婚する際に私を連れていかない選択をしました。
私にとっては、「手のかからない子になった結果、重要な場面で母に捨てられた」と思えてなりませんでした。

それでも、今まで「手のかからない子」になる道を選んでいたので、今さら「親を困らせる子」にはなれませんでした。

母のことが大好きだっただけに、裏切られたような気がして、本当にショックでした。
「生きているだけで良かった」と割り切ることができれば良かったのですが…。

両親が離婚した2週間後に私は、公立高校の受験本番を迎えました。そのときの受験した高校には無事合格したのですが、あまりのショックからか受験当日の記憶が全くありません。



表面上は、母と穏やかな関係だけど、私自身の心の中は複雑…

母と父が離婚してからも私はときどき母と兄の住む家に遊びにいったり、泊まりにいったりしました。兄の様子を見て、一緒に住んでいたころと変わらない様子に安心したのを覚えています。
兄が通う作業所での仕事の様子や、家での様子についても母から聞くことができました。

自分の中でわだかまりがありつつも、母と私の関係は穏やかでした。
1年ほどすると、母に合った薬が見つかったようで、統合失調症の症状が緩和され、母に少しずつ笑顔が戻りました。ただ、いつどんなきっかけで症状が悪化するか分からないのと、「自分は母に選んでもらえなかった」という感情がどうしても消えず、表面上は穏やかな関係でも、私自身の心の中は複雑で、腫物に触れるかのような関係でした。


大人になってからだんだんと理解ができるようになった、母のやさしい選択

あれから25年が経ちました。今なら重度障害のある兄だけを連れていった母の気もちが分かる気がします。

母はできる限り家族それぞれがその人らしく暮らせる選択をしたのだと思います。もし仮に母が私たち(姉と私)を連れて出ていってしまったのなら、姉は自分のために働くのではなく家族を養うために働かなくてはなりませんし、私は高校生という立場の中、ヤングケアラーとなり、外での生活(学校や交友関係など)を楽しむことも、その先の進路などを見据えることも難しかったのではないかと思います。


関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.