子育て情報『てんかんの治療薬、デパケン(バルプロ酸ナトリウム)とは?どんなてんかん発作に処方される?効果や副作用、ほかの治療薬についても解説【てんかん専門医監修】』

2023年3月22日 06:15

てんかんの治療薬、デパケン(バルプロ酸ナトリウム)とは?どんなてんかん発作に処方される?効果や副作用、ほかの治療薬についても解説【てんかん専門医監修】

発作:膝などを折り曲げ、手足を曲げたり伸ばしたり、一定のリズムでけいれんが起きる。数十秒で終わることが多いが、1分以上続く場合もある

欠神(けっしん)発作
数十秒間意識がなくなる発作です。けいれんを起こしたり倒れたりはしないが、会話などの途中で突然意識がなくなる場合も。周りの人が気づきにくく、集中力や注意力がないなどと思われることがあります。

・症状
突然意識がなくなりぼんやりした目つきになる
呼びかけに反応しない
まぶたがピクピクする

脱力発作
崩れるように倒れてしまうことがありますが、発作の持続時間は数秒と短く、発作と気づかれにくいです。

・症状
全身の筋肉の緊張の低下、消失

ミオクロニー発作
一部分の筋肉が一瞬ピクっと収縮する瞬間的症状のため、自覚することも少ない発作です。ですが、連続して起こることもあり、転倒したり持っているものを投げ飛ばしてしまう強い症状が出ることもあります。寝起きや寝入りに多く起こる傾向があります。


・症状
全身、あるいは手足の一部分の筋肉が一瞬収縮する

どの全般発作も第一選択薬としてバルプロ酸ナトリウムが選ばれることが多いです。
先発医薬品ではデパケン、デパケンR、セレニカR、バレリンなどが、後発医薬品(ジェネリック医薬品)としてはバルプロ酸ナトリウム(商品名)があります。

主な作用機序としては、神経の興奮を抑える作用を持つγ-β酪酸(GABA)を分解する酵素(GABAトランスアミナーゼ)の働きを抑制して、脳内のGABA濃度を維持・増加させ、発作を抑えると考えられています。

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前述したように、バルプロ酸ナトリウムは全般てんかんの第一選択薬として広く使われています。全般てんかんには子どもに多い欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作、強直発作などがあり、こうした発作に対して用いられます。

また、てんかんの症状には、脳の異常な興奮が原因となって怒りやすくなったり、すぐ機嫌が悪くなったりするような症状もあります。こうした症状は双極性障害の躁状態でも起こりうることですが、バルプロ酸ナトリウムはこうした性格行動障害に対しても効果を示します。

さらに、こめかみや目のあたりが発作的にズキズキと拍動性の痛みを感じる片頭痛などにも用いられています。
ただし成人とは異なり、12歳~17歳の小児片頭痛患者を対象とした臨床試験では有効性を示す十分な科学的根拠は得られていません。

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