2023年3月22日 06:15
てんかんの治療薬、デパケン(バルプロ酸ナトリウム)とは?どんなてんかん発作に処方される?効果や副作用、ほかの治療薬についても解説【てんかん専門医監修】
バルプロ酸ナトリウムは以下のような錠剤、顆粒、シロップ、徐放性製剤とさまざまな剤形があり、患者の状態や治療の目的に合わせたさまざまな選択がなされます。
・バルプロ酸ナトリウム錠100mg
・バルプロ酸ナトリウム錠200mg
・バルプロ酸ナトリウムシロップ5%
・バルプロ酸ナトリウム細粒20%
・バルプロ酸ナトリウム細粒40%
例えばシロップ剤は、主に小児に投与することを目的としており、バルプロ酸ナトリウムの特異な臭いとわずかな苦味があるために服用しやすくなるよう甘味がつけられています。また、徐放性製剤の場合は服用してから長時間かけて薬剤が放出されるよう設計されているために、血中濃度を一定に保ち、服用回数をコントロールすることができます。
用量ですが、通常1日量8〜24mL(バルプロ酸ナトリウムとして400〜1,200mg)を1日2〜3回に分けて経口投与します。ただし、どのような剤形が選択されるか、またそれの服薬量は、患者の状態に応じた医師の治療方針に基づくものであり、勝手な薬剤の増減や停止をおこなってはいけません。医師の判断に基づかないで服薬を減らしたりやめたりすることで発作が起こってしまったり、回復が遅れるなどの不利益が生じることがありますので、必ず医師の指示に従いましょう。
バルプロ酸ナトリウムの副作用は
眠気、ふらつき、吐き気、食欲不振、けん怠感などがあります。副作用は飲み始めに多く、やがて軽減することが多いのですが、症状が強い場合は医師に相談してください。
重い副作用として、まれに肝臓への悪影響(劇症肝炎などの重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝など)があります。肝機能障害などがある場合は肝障害が強くあらわれる場合があるので、必ず医師に伝えましょう。また、食欲亢進し体重が増えることがあります。
カルバペネム系抗生物質などは併用禁忌、そのほかさまざまな薬と相互作用を起こしやすいです。飲み合わせによって、バルプロ酸ナトリウムの作用が強まったり弱まったりするので、服薬中の薬は必ず医師に報告しましょう。
バルプロ酸ナトリウムは胎児の形成に影響を与えたり、産まれてきた子どもの発達に影響を及ぼすことがあるので妊娠可能な年齢の女性、妊娠中の女性に処方する場合には注意が必要です。
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ処方されます。