子育て情報『医ケア児とは?医療的ケアが必要な子どもは保育園に通える?支援法制定による変化や保育園でできるケアや相談先も解説【専門家QAも】』

2023年3月31日 16:15

医ケア児とは?医療的ケアが必要な子どもは保育園に通える?支援法制定による変化や保育園でできるケアや相談先も解説【専門家QAも】

まず、登降園の際には、子どもの様子を保護者と保育士(又は看護師)とで共有し、医ケアに必要な器具や物品の引き渡しを行います。保護者から子どもを預かった保育士は、登園時に保護者から聞き取った情報を医ケアを行う職員たちと適切に共有する必要があります。

そして、行った医ケアを記録に残し、カンファレンスなどで職員間で共有すると共に、連絡帳などを使って保護者にも共有します。保育の際には、衛生面に十分に配慮しながら活動内容を考えていく必要があります。

活動の際には気管カニューレなど医ケアに必要な器具の抜去などが起こらないよう、しっかりと見守っていくことも大切です。急な体調変化や事故抜去などの緊急時にも対応するために、あらかじめ緊急連絡先や対応手順を定め、保護者との間で確認しておくことも重要です。

医療との連携も必要です。まず、医ケア児の主治医とは、医ケアについての意見が得られるように連携体制を確保することが必要です。
そして保育園の嘱託医にも、医ケア児の健康状態やケアの内容について十分に情報共有することが求められます。また、主治医の勤務先が遠方の病院である場合は、日常的な相談や指導に関しては地域の医師に協力を依頼することも考えられます。

生活を共にするほかの子どもたちも、なぜその子に医ケアが必要なのか、医ケアを受けながら生活しているその子への理解が深まるように話をすることも重要です。また、経管栄養のチューブや気管カニューレなどの取扱いがある場合は、それらが抜去されないように、それぞれの器具の必要性などを説明し、理解を促すことも必要となってきます。

医ケア児の保護者が同意する場合は、医ケア児以外の子どもの保護者に対しても、クラスに医ケア児が在籍することを説明し、理解を得られるように努めることも考えられます。

保育園での医ケア児の受け入れ体制を充実させていくためには、医療機関は保護者、園側との協力関係に加えて、行政のバックアップ体制が必須です。また、一人ひとりの育ちに応じた適切な支援を行うためにも、学校教育との連携も必要になっていきます。

「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針」では、平成30年度末までに、各都道府県、各圏域、各市区町村において、関係機関などが連携を図るための協議の場を設けることが基本とされました。
こういった協議の場なども活用しながら、医ケア児の安全な受け入れ体制のための情報共有や協力体制のネットワークをつくり、より安定した保育環境を構築することが望ましいと思われます。

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