2023年4月2日 12:15
自閉症息子、3歳で取得した療育手帳。知的障害「中度」判定にショックで涙。15年後の再判定では…
タクシーに息子と乗ったとき「障害者手帳持っているんですけれど、持ってくるの忘れてしまいました。でも障割にしてくれますか?」と図々しく聞くくらいだ。
親として成長したのか、諦めたのか、悟ったのか…。
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特別支援学校高等部時代、学校のママたちとランチした。
あるママ友が呟いた。
「療育手帳の成人更新で3度が4度になっちゃった~(=軽度になったこと)『3度が4度に上がりました』と担任に話したら、『そうでしたか…』複雑な表情をされて、こちらも複雑な気持ちになったよ~。」
「あるあるだよね。」
そんな会話が交わされる。
愛の手帳が3度から4度(中度→軽度)になって本来喜ばしいことなのだろうが、それによって利用できなくなる福祉制度があるからだ。私が住んでいる自治体では、“緊急介護人制度”というのがあって、愛の手帳(療育手帳)が1度から3度だとこれを利用できる。しかし、4度だと利用できなくなる。
ほかにも、一般企業の障害者雇用枠では、療育手帳の1度や2度だと、ダブルカウントされる。つまり1人雇うと2人分とカウントされるのだ。
手帳の判定が変わるのは、親と嬉しくもあり、利用できる福祉サービスが減るのではと不安になることもあり、複雑な気持ちになるものだ。
そして、それくらい親と一心同体になってくれる特別支援学校高等部の先生方はありがたい存在だった。
「残念だ」とは決して口には出さないが、表情から、わが子のことを深く考えてくれいることは読み取れるから。
障害区分認定は?
療育手帳の成人更新とは別に、19歳になったら、区分認定も受けた。これは知能指数による判定ではなく、日常生活するのにどれくらい困難があるかを示す度数である。
療育手帳(愛の手帳)は「1・2・3・4」と数字が上がるほど軽度ということだが、区分認定は「1・2・3・4・5・6」とあり、数字が上がるほど重く、福祉サービスは手厚くなる。逆なのだ。ややこしい!!
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当時、ママ友との会話はもっぱら…
「成人更新で療育手帳は何度になった?」
「区分指定は何度?」
だった。
成人を前にやらなくてはいけない申請も多く、何しろいろいろ難しい。
経験者としていえるのは、17歳になる前くらいから、いろいろ調べておくとよいということだ。
執筆/立石美津子
(監修・鈴木先生より)