療育手帳の判定結果は「中度」知的障害、落胆して泣いた
自閉スペクトラム症のある息子は、1歳ごろから「なんだか怪しい…」と感じる行動をすることが多かった。母である私は、息子が3歳になるとすぐ、療育手帳(障害者手帳)を申請した。療育手帳は、3歳をすぎないと申請できなかったからだ。
療育手帳の申請は児童相談所が窓口だった。

Upload By 立石美津子
息子は児童相談所で検査を受けた。
結果は3度(中度)の判定で「4度(軽度)ではないんだ」とショックを受けた。
障害児向けの福祉サービスを受けるため、療育手帳が欲しくて自ら出向いたのにも関わらず…。
児童相談所からの帰り道、駅まで泣きながら歩いたことを思い出す。
1ヶ月後、療育手帳が郵送されてきた。
交通機関の割引制度を利用するには、手帳を提示する必要があったが、当時の私はものすごく抵抗があったので、しばらく使うことができなかった。
東京都の場合、療育手帳(愛の手帳)は知的障害の重さで4つの度数に分かれている。
最重度1度…知能指数19以下
重度2度…知能指数20~34
中度3度…知能指数35~49
軽度4度…知能指数50~75
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/faq/techo_qa/taishou.html
参考:対象者(愛の手帳Q&A)|東京都福祉保健局
軽度の目安が、IQ75未満の自治体もある。
IQ70〜75が、療育手帳がもらえるギリギリの、ボーダーラインで、IQが70〜75より高く、日常生活の能力に問題がない場合は、療育手帳の認定基準に満たないので、療育手帳はもらえない。
療育手帳がもらえるかもらえないかの境界は、自治体によって異なる。
療育手帳交付のボーダーラインは、IQ70が基準の自治体もあれば、IQ75が基準の自治体もある。
療育手帳の再判定、結果は変わらず「3度」で中度の知的障害だった
息子が18歳になり、療育手帳の成人更新をすることになった。結果は今までと同じ3度だった。
少しホッとする。福祉サービスが今までと変わらず受けられるからだ。児童相談所からの帰り道、駅まで泣きながら歩いた昔と比べると、自分も随分変わったものだ。
療育手帳を持っていても使うのに抵抗があった昔に比べると、持っていくのを忘れたら家に取りに戻るくらい変化した。