指定難病とは?種類は?どんな疾患が指定されている?
厚生労働省は治療が確立されていないなど、一定の条件を満たした疾患を「難病」としています。さらにそのなかで、患者数が少ないなどプラスの要件を満たす疾患を「指定難病」としています。
難病と指定難病にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの条件を比べることで、難病と指定難病の違いを確認していきましょう。
難病の条件
・治療法が確立されていない
・発症の構造が明らかではない
・希少な疾患である
・長期の療養を必要とする
指定難病の条件
上記、難病の4つの条件に加えて以下の2つの条件が加わります。
・患者数が一定の人数に達しないこと(現在の基準は、18万人未満あるいは人口の0.142%未満となっている)
・客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している
日本の難病政策は1965年ごろから始まりました。その発端となったのが「スモン(亜急性脊髄視神経症)」という疾患です。スモンは原因不明の奇病と社会問題になり、「難病」という言葉が社会に認知されるようになりました。
1972年には政府が難病対策要綱を策定。難病は以下のように定義されています。
(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病
(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病
引用:難病とは |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/pdf/06e_3_2.pdf
政府は難病政策として「調査研究の推進」「医療施設の整備」「医療費の自己負担の解消」の3つを掲げ、研究などによる疾患の解明はもちろん、診療整備、医療費を公費負担なども目指すことになったのです。
当時調査研究の対象だったのは、スモンを含む8疾患のみでした。しかし、その後疾患の数は増え続け、56疾患が特定疾患治療研究事業(医療費助成事業)の対象となったのです。2011年には対象患者数はおよそ78万人に。予算は400億円を超えました。
その後、「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が2014年に成立しました。
これは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革推進に関する法律として成立したものです。