子育て情報『【精神科医・田中康雄】「怒る」「ルールを守らない」はどうして?特性の理解から、その子の唯一無二の「思い」を探して』

2023年10月30日 14:15

【精神科医・田中康雄】「怒る」「ルールを守らない」はどうして?特性の理解から、その子の唯一無二の「思い」を探して

ここに示したナゾ行動の説明は一つの仮説にすぎず、こんな子もいるよ、という提案です。もっともっと、別の理由を持った子どもはたくさんいます。

わが子の、保育士や教師の方なら目の前の子どもたちの、その言動の理由を想像して探ってみませんか?あるタイプだからこの言動でなく、Aくんだからこの言動、そうかBくんだからそうしたのか、と思えるようになれば、なによりもAくん、Bくんが、分かってくれたと思って、とても喜んで、安心してくれると思います。

例えば、ナゾ行動8にあるような、遊びのルールが守れないというナゾ行動にも、守れないという以前に、そのルールが理解できていない場合や、分かっていても自分の思い通りにしたくて結果ルールを確信犯的に破ってしまう場合もあります。

【精神科医・田中康雄】「怒る」「ルールを守らない」はどうして?特性の理解から、その子の唯一無二の「思い」を探しての画像

Upload By 田中 康雄

【精神科医・田中康雄】「怒る」「ルールを守らない」はどうして?特性の理解から、その子の唯一無二の「思い」を探しての画像

Upload By 田中 康雄

このようにある場面の言動を、その子はどのような理由から表出しているのか、日々の言動を観察し、あれこれと心情を想像し、こんな気持ち?あんな気持ち?と考え続ける。そうすることでその子の理解が進んでいくと、僕は思うのです。

注意や叱ることの前に、「そうか、こうしたかったんだね」「もしかして、こんな気持ちだったのか」と、子どもの思いに少しでも近づき、思いを重ねようとするだけで、きっと、その子は、安心する、守られている、と感じるのではないでしょうか?

脳のタイプを知ることは前提として大切です。同時に、一人ひとりの生活の癖、関係の取り方など生活から見えるその子の有り様を、重ねることで、多面的に、そしてより深く、子ども理解が進むように思います。どんなことにも、わけがある。そこに、その子の唯一無二の「思い」が隠れていると、僕は信じています。

ナゾ行動に隠れた意味を考えるとき、保育士や教師の方であれば、複数人であれこれと考えてみるのも一つです。僕たち応援する大人も、みな十人十色なので、想定外の仮説が聞けるかもしれません。
こうした議論は僕たちの理由を知るための引き出しを増やすことになります。分からないときは、その子に聞くのも大事です。実は、きちんと説明できるかもしれません。

想像しましょう。話し合いましょう。分からないことは聞きましょう。そして、何事もよいと思ったことを試してみましょう。僕たちができることは、いつも「仮に理解している」に過ぎません。
でも「実際に」

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.