子育て情報『「読み書き」の難しさで学習に苦戦。心理的な負担から登校渋りにつながることも?【公認心理師が手立てを解説】』

「読み書き」の難しさで学習に苦戦。心理的な負担から登校渋りにつながることも?【公認心理師が手立てを解説】

ではなく、タイピングする方法もあります。

作文の目的が「自分の考えたことを人に伝わるように文字の形で残す」だとすれば、「手書きで」「漢字で」というのはプラスアルファの条件と考えることもできます。本質的なことを学ぶのであれば、ボイスレコーダーやタイピングも選択肢になるということです。

保護者の方から「うちの学校は手書きしか認めてくれない」といったお声を聞くこともありますが、その場合はタイピングしたものを手書きで清書するのもひとつです。
このように、「タイピングか手書き」かの2択ではなく、組合せという選択肢もありますよね。

ーー小学校高学年や中学生になると、保護者も勉強を教えるのが難しかったり、反抗期もあってなかなかサポートも難しかったりしますが、サポートのヒントはありますか?

菅佐原:小学3年生以降になってくると学習内容がより複雑になり、教科の幅も広がります。そのため、この段階になってくると「やらされる勉強」では続かなくなります。

そうすると、「学ぶ必然性」がとても大事になってきます。


「将来自分がどんなことをしたいか?」から逆算して、「じゃあ、英語が必要だから英語をより頑張ろう」「将来建築士になりたいなら数学はできたほうがいいね」というように「学ぶ必然性」をお子さんと一緒に確認していきます。

「幅広く勉強したほうが、進路の選択肢が広がるのではないか」という疑問もあるかもしれません。しかし、幅広く取り組もうとすることで学習の負荷が高まってしまい、勉強自体を拒否してしまう結果になれば、逆に選択肢は狭まってしまうかもしれません。

「今の勉強をサポートしよう」という視点のみですと、このような大事な観点が抜けてしまっているので、お子さんも学ぶ必然性が分からずモチベーションにつながりにくいですし、保護者にとっても勉強の導き方が分からず途方に暮れてしまう……ということになりかねません。

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ーー日々、目の前の宿題を終わらせるだけで精一杯で、なかなか支援につながることが難しいこともあると思います。どのようにサポートを考えていけばいいでしょうか?

菅佐原:宿題も「目的」を整理することが大切です。例えば「宿題を出されたからする」だと目的を見失ってしまうかもしれません。
提出することが目的なのであれば、答えを見ながら解いたり、大人がお手伝いしたりしてでも毎回書きあげて提出したらOK、ということにもなりえます。

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