「読み書き」の難しさで学習に苦戦。心理的な負担から登校渋りにつながることも?【公認心理師が手立てを解説】
「頑張ればできる」のような評価をされてしまったりすることもあります。
ーー小学校高学年になると、より学習も難しくなるので大変さも増すのでしょうか?
菅佐原:例えば、テストで「答えは分かっているのに書くことが間に合わない」という場合、学習そのものは習得できていても、答える手段が「書く」であるために、テストでは力を発揮できないということになります。
高学年になってくると、学習内容がより複雑になり、これまでのやり方が通じなくなる面も出てくるでしょう。また、思春期は自分に対する見え方が変わる時期でもあり、よりつらさが増すお子さんもいます。
ーーそれでは、読み書きの支援で大切なことはどういったことがあるでしょうか?
菅佐原:大事なことは「とにかく頑張ってやりなさい」ではなく、「この勉強は何のためにしているのか」という目的を整理することだと思います。
例えば、
・内容を覚えること
・文章を読むこと
というように、目的を整理することもできるかもしれません。
目的によっては、必ずしも「手書き」でなくてはいけないかどうかも検討できるでしょう。
目的を整理しないまま、「勉強するのは当然だから」とただ促されるのは、お子さんにとってつらいことですよね。
一方で、良かれと思って「勉強しなくていいよ」などと言ってしまうと、自分だけ勉強させてもらえないと感じてしまい、それはそれでつらいものです。
また、お子さんが読み書きに対してどのような困りがあるかを、確認していくことも大切です。
担任や特別支援教育コーディネーターの先生に相談することや、LITALICOのオンラインサービス「発達ナビPLUS」で配信している発達支援の専門家による読み書き検査の解説動画などを利用して、困りの背景を具体的に把握することで、支援の方向性が見えてくるかもしれません。
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ーー「学習の目的を整理する」とは、例えば作文であれば、「繰り返し書いて覚える種類の学習ではないので、書く必要はないからタイピングでもいいかもしれないね」といったイメージでしょうか?
菅佐原:はい。作文の際には、書く前に内容を話してボイスレコーダーに録音しておくという方法もあります。録音したものを聞きながら書いていくことで、「内容を考える」と「手書きで書く」を分けて取り組むことができます。また必ずしも「手書き」