漢方薬「甘麦大棗湯」は癇癪や夜泣きに効果がある?副作用についても【医師監修】
ただし、1歳未満の子どもの場合には、症状や状況を考慮してやむを得ない場合にのみ処方するような形となっています。
漢方薬は効果が表れるまで時間がかかることが多いですが、甘麦大棗湯は比較的即効性があり、1週間程度で効果が表れるとされています。また、効果があった場合にもいつまで飲み続けるかについてですが、基本的には不眠や夜泣きなどの症状がなくなったタイミングで服用を中止します。
反対に効果が表れない場合にも服用を中止することがあります。服用の注視や継続については処方してもらった医師に相談するようにしましょう。
「甘麦大棗湯」の用法、用量を解説。病院で処方してもらえるの?
甘麦大棗湯は成人の場合1日7.5gを2~3回に分けて服用します。
子どもの場合は年齢ごとに用量の目安が厚生労働省により以下のように定められています。
・7歳以上15歳未満:成人用量の2/3
・4歳以上7歳未満:成人用量の1/2
・2歳以上4歳未満:成人用量の1/3
・2歳未満:成人用量の1/4以下
つまり、5歳の子どもの場合は1日3.75gとなります。実際に処方される量は年齢以外にも体重や症状の表れ方によって変化します。
甘麦大棗湯は小さな粒状となっており、食前または食間に水かぬるま湯とともに服用します。食前とは食事の20~30分前、食間とは食後約2時間で、この時間に服用することで胃腸からの吸収がよいため、作用の穏やかな漢方薬に向いていると言われています。
甘麦大棗湯は小児科やメンタルクリニックなどの病院で処方してもらうことが可能です。ただ、漢方を扱っているかは病院によって異なりますので、詳しいことは直接病院へお問い合わせください。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000160073.pdf
参考:都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いについて|厚生労働省
「甘麦大棗湯」は発達障害に効果があるの?
甘麦大棗湯は発達障害のある方へ処方されることがあります。ただ、発達障害の特性に対して効果があるわけではなく、発達障害に関連した癇癪や睡眠障害などの症状を緩和するために処方されます。
実際にASD(自閉スペクトラム症)に伴う入眠・起床困難や疲れやすさのある方に対して、甘麦大棗湯と抑肝散を処方したところ、睡眠状況が改善し活動量も増えたという報告もあります。