子どもの睡眠障害とは?自閉症・ADHDなど発達障害との関係はあるの?症状・対処法まとめ
睡眠量だけでなく、睡眠の質(睡眠構造)も年齢・成長にともない変化します。人間の睡眠は、レム睡眠(浅い眠りで身体は眠っているのに、脳が活発に動いている状態)とノンレム睡眠(脳も身体が休んでいる深い眠りの状態)の2つに分けられますが、生後間もなくはレム睡眠に似た浅い動睡眠が睡眠全体の約半分を占めます。
3ヶ月ごろにレム睡眠とノンレム睡眠があらわれるようになり、2~3歳までにはノンレム睡眠とレム睡眠を90分ほどの周期で繰り返す、大人とほぼ同じ睡眠リズムができてきます。そのために睡眠のシステムが形成される時期に良質な睡眠をとることは、一生の生活リズムを左右する大きな意味を持つと言われています。
成長につれ、メラトニンというホルモンの分泌量も増えてきます。メラトニンは夜間分泌されるホルモンで、覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながしますが、日中に光をたくさんあびることで分泌されるので、早寝早起きの生活リズムを続けることでより分泌量が増え、より眠れるようにもなります。
乳児期はこれらの睡眠のシステムが形成される途中であるため、睡眠が浅かったり、細切れになりますが、3歳以降になってもこのシステムがうまくできていない場合、対策を考えたほうがよいかもしれません。
細胞組織の生成と新陳代謝を促す成長ホルモンは、身長を伸ばしたり、筋肉をつくったりするのに欠かせません。
また、脳の発達や記憶などにも関係するホルモンです。この成長ホルモンは、睡眠中、特に入眠後最初に訪れるノンレム睡眠中に多く分泌されると言われています。つまり睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、身体の組織や脳が構築され発達するのです。
このように、子どもにとって睡眠は日中の疲労を回復するだけではありません。乳幼児から思春期の睡眠は、心身が大きく成長する時期に必要なホルモンが分泌される、発達に欠かせないもっとも大切な時間といえるでしょう。
そのため、子どもの睡眠の問題には早期に対処することが重要です。睡眠障害が改善されることで発達障害にもよい影響を与えると考える医師や研究者も多く、さまざまな研究も進められています。https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/15/4/15_4_4_34/_pdf
子どもの睡眠と脳の発達 ─睡眠不足と夜型社会の影響─ 大川匡子
子どもの睡眠障害とは?どんな場合に疑われる?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044012051
眠りになんらかの問題がある状態を睡眠障害と言います。