チック症とは?癖のように見えるチック症状の見分け方と治療法は?
他には、単純な音声や複雑な発声、汚言、卑猥な言葉などがあります。
咳払いは日常よくみられるものであるため、周囲の人もさほど気にかけないことが多いです。他方、「あー」といった甲高い奇声や汚言は、周囲の注目をより集めやすい症状となります。本人が周りの目を気にして登校を渋ったり、外出を控えることも少なくありません。
■運動チック
運動チックとは一見すると癖に見える、まばたきや肩すくめなどの身体の動きのことを言います。
例えば、まばたきは日常動作でみられるものであり、多少まばたきが多くても周囲の人間はあまり気にしません。しかし顔や肩の動きといった目立ちやすいチックでは、周囲も本人も気にしやすいと言えるでしょう。また、手のチックなどでは、字を書くのが困難になるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
■ 単純チック
一般に瞬間的(1秒未満のことが多い)に発生し、明らかに無意味かつ突然起こるものです。
■複雑チック
単純チックに比べて動きが少し遅く、意味があったり周囲の環境に反応しておこるように見えるものです。
チック症の4つの診断分類とその基準
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017015088
2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)の診断基準を参考にすると、チック症の診断は以下の4つに分けることができます。
①トゥレット症群・トゥレット障害
②持続性(慢性)運動または音声チック症・障害
③暫定的チック症・障害
④他の特定されるおよび特定不能のチック症群
上記の診断分類によらず、4つすべてに共通する診断基準が3点あります。
・発症が18歳以前であること
・物質の生理学的作用(例:コカイン)または他の医学的疾患(例:ハンチントン病、ウイルス性脳炎)によるものではないこと
・一度ある階層レベルのチック症と診断されると、それより下位の階層の診断がなされることはないこと
続いて、診断分類ごとの症状と基準を見ていきましょう。
以下の基準に当てはまる場合は、トゥレット症群・トゥレット障害と診断されます。
・多様な運動チック、1つ以上の運動チックの両方が同時とは限りませんが、症状のある時期に存在する
・チックの頻度は増減することがある
・最初にチックが始まってから一年以上持続している
以下の基準に当てはまる場合は、持続性(慢性)