試合当日の朝食には「炭水化物をたっぷり」。スポーツ栄養学にもとづいたメニューとは?
「できるだけ馴染みのある食材を使い、工程を簡単に、しかも美味しく仕上がるようなレシピであることを心がけています。基本的な考え方は、毎食、①主食、②主菜、③副菜、④果物、⑤牛乳・乳製品、この5つを揃えること。そうすることで、成長やスポーツに必要な栄養素を満遍なくとることができます。
加えて、色鮮やかになることも心がけました。色がきれいということは、たくさんの食材を使っているということです。使用している食材が多いとさまざまな栄養が集まって、「色がきれい」=「たくさんの栄養が含まれている」ということにつながります」
情報があふれるこの時代、健康や栄養についての知識を簡単に得られるようになった反面、難しく考えすぎて不安になる親御さんも多いように見受けられますね。
「実際に保護者の方からお話をうかがうと、みなさん、栄養のことをよく考え、お子さんの食事を作られていると感じます。ときには、頑張りすぎて疲れてしまっているというお話も聞きます。
そういうときはもう少し肩の力を抜いて考えても良いのではないかとお伝えします。
食事づくりというのは毎日のことですので、難しく、複雑に考えるとつくる側はもちろん、食べる側もそのプレッシャーを感じ取って負担になってしまうことも……。ですので、献立を考えるときに「①〜⑤をとりあえず揃えよう」、「色がいっぱいあったらいいな」と考えると、自然に使う食材も増えて、結果栄養満点に近づいていきます。この本はそんな考え方がベースになっていますので、本を手に取っていただいた方々から、「参考になる」との声をいただきました」
子どもの健康や成長を誰よりも心配しているからこそ、親御さんたちは手を抜けずに悩んでしまうものです。だからこそ、まずは気持ちをラクにして、食事づくりを負担に感じないようにするべきですね。
「たとえば外食をしたとしても「①〜⑤のうち足りないものがあったかな」と考えて、おやつでその番号を補ったり次の食事で多めに取り入れたりと、家に帰ってから不足した番号をプラスして栄養バランスをとることができます。1食単位で考えることはありません。1日単位、もしくは3日単位でもいいくらい。
そのなかでうまくバランスを保つ意識をして、自分で何ができるかを考えることが大事です」
スポーツ栄養学のエビデンスをバックボーンにした解説・コラム
たくさんの食材を使った色鮮やかなメニューが印象的な『ジュニアのためのスポーツごはん』ですが、他にも気をつけた点などはありますか?
「子どもたちの好き嫌いについてリサーチをしました。