子育て情報『「いじめ問題」に直面したときのために――家庭での道徳教育は“ピグマリオン効果”を利用しよう』

「いじめ問題」に直面したときのために――家庭での道徳教育は“ピグマリオン効果”を利用しよう

道徳の授業を通して、「考える力」「議論する力」が求められるようになっていることも特徴だといえるでしょう。

また道徳は「特別な教科」ということで、数値での評価はありません。道徳科における評価は他教科とは異なります。「他人の考えをしっかり受け止めている」など子どもが成長した様子を担任が見定め、「励まし、伸ばす」文章を書いてもらうことが評価となるのです。その際、ほかの子どもと比較することはせず、「規則の尊重」や「家族愛」など、内容項目ひとつひとつを評価しない、という決まりになっています。

「いじめ問題」に直面したときのために――家庭での道徳教育は“ピグマリオン効果”を利用しよう


心の教育を軽視するとどうなる?

道徳教育を考えるとき、東京都独自のある取り組みが参考になります。それは平成12年に策定された『こころの東京革命』です。

■『こころの東京革命』とは?
親と大人が責任を持ち、次代を担う子供の正義感や倫理観、思いやりの心を育み、自らが手本となりながら、人が生きて行く上で当然の心得を伝えていこうという取り組み。


その中で、大人が子どもに伝えるべき大切なことをまとめているので、要約してご紹介します。また、その大切なことが身についていないとどうなってしまうのか、あわせてお伝えします。

○社会の「きまり」や人との約束を守る
みんなで決めた「きまり」や約束を守ることは、人との信頼関係を築き、維持するための基本であり、社会のなかで自分らしく生きていく上で欠くことができません。

・きまりを守れないと秩序を乱して周囲から孤立してしまいます。その結果、自分には価値がないと思い込み、自己肯定感の低下につながります。

○思いやりをもつ
多様な人々と共に生きるためには、自分だけでなく他人にも心を配らなくてはいけません。思いやりとは、自分の欲しないことを他人にもしないという基本的姿勢から生まれてくるものであり、他人を愛する心をもつことが大切です。

・他者への思いやりがないと自分を大切にすることもできません。
すると、何事にも無気力で投げやりになってしまいまいます。

○自らを律する
時と場合に応じて我慢をし、かつ目標を見失わずに粘り強く物事をやり遂げることで、自らを律することの大切さと達成の喜びを感じられます。・我慢ができないと自分の要求を力づくで通そうとします。すぐに結果を求めるようになり、諦めが早くなります。

○責任感、正義感をもつ
自分に与えられた役割を果たし、自分の行為に責任をとるとき、人は大切な存在として尊ばれます。

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