「生活習慣」を整えて学力アップ! すぐに効果が出る “子どものためのR-PDCAサイクル”
基本的な生活リズムを固定したうえで勉強時間を確保することが、子どもの健やかな精神や学力向上の支えとなるのは当然ですね。では、高い生活習慣力を身につけるには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
まずは「現状把握=自分を知る」ことから
『PDCAサイクル』という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンではよく耳にするこの言葉、会社の業務や製品を改善するために用いられる考え方を意味します。
P目標を設定し(Plan)
D行動し(Do)
C振り返り(Check)
A改善する(Action)
簡単にいうと、“計画的に行動して、その成果を評価する” というサイクルを繰り返すことで、仕事のやり方を改善する手法です。最近では、常に変化する現状を把握する必要もあるという考えから、「R自分を知る(Research)」が加えられるようになりました。これによって、自分の強みや弱みに気づき、目標達成までの過程を自己管理できるというわけです。
ビジネスシーンでは当たり前のように浸透している「R-PDCA」。実はこの手法、子どもの生活習慣力アップにも活用できるのです。
ポイントは、親や教師から “やらされる” のではなく、“自発的・自律的に” 目標を設定して行動し、その行動の成果を振り返って改善する習慣をつける、ということ。つまり、子ども自身に『自己マネジメント力』をつけてもらうのが最終的な目的です。
自己マネジメント力をつけると、子どもの思考は次のように変化していきます。
「夢を実現するために、自分に合う勉強の仕方に変えていこう」
「もっとテレビやゲームの時間を減らして読書に回してみよう」
「教科書に出てきた作家のほかの作品も読んでみよう」
このように、自分の生活と学習の実態を把握して、改善策を考えて実行するようになるのです。
R-PDCAサイクルで子どもの意識がみるみる変わる!
早稲田大学教職大学院の田中博之教授が提唱している“小学生向けのR-PDCAサイクル”は、「子どもが自分の時間を可視化して把握するのに役立つ!」と、多くの保護者の方たちから支持されています。
実際に始める前に、まず1冊のノートを用意しましょう。市販の書き込み式R-PDCAサイクルノートもあるので、使いやすいものを選ぶといいかもしれません。
田中博之 監修(2018年)