ジョブズの子育てはローテク主義! 「子どものデジタル使用、どうすれば?」先駆者の答え
クリス・アンダーソン氏(3Dロボティックス社CEO):
自身の子どもに対し、自宅にあるすべてのデジタル機器使用の制限時間を設けている。竹内健氏(フラッシュメモリ開発者、中央大学教授):
子どもたちが普段携帯電話を持つことを許さず、どうしても必要なときだけ通話機能だけに絞って持たせている。デジタル技術をつくり出した張本人でありながら、彼らがここまで厳しく制限するのは、いったいなぜなのでしょう?
彼らが子どものデジタルを制限する理由
彼らが子どものデジタル機器の使用を厳しく管理しているのは、その世界を知り尽くし、危険性についても熟知しているからです。
子どもがデジタル機器を使用しすぎることの危険性は、近年の調査や研究でも示されています。子どもはスマートフォン中毒になりやすいということが明らかになっているのです。
2019年5月に『International Journal of Mental Health and Addiction』で発表された海外の研究では、スマートフォン中毒になるリスクがもっとも高い世代として若年成人(19〜24歳)と、就学前の子ども(3〜6歳)が示されました。
また、東京大学大学院情報学環教授・橋元良明氏の研究室が2018年10月に実施した、乳幼児を育てる母親約2,000人を対象とした調査では、スマートフォン依存の傾向にある子どもは1歳児で9.9%、2歳児で13.3%だったそう。1~2歳にしてすでに、スマートフォンをすぐに使いたがったり、取り上げられると機嫌が悪くなったりするなどの依存状態にある子が、1割ほどもいるのです。
こうした状況で心配されるのは、乳幼児の言葉や目への悪影響です。
カナダ・トロント大学の研究者らは2017年5月に小児科学会で、「生後6カ月~2歳の乳幼児は、スマートフォン、タブレット、ゲームなどで遊ぶ時間が長いほど、言葉の発達が遅れる可能性が高まる」と発表しています。また、中央大学文学部教授で乳児の脳と心の発達について研究する山口真美氏は、赤ちゃんがスマートフォンなどの画面を長時間見続けてしまうと、近視になったり立体視が弱くなったりする原因になると述べます。国立成育医療研究センター小児眼科医の仁科幸子氏も、0~6歳頃までは目の機能が育つ大切な時期だとし、デジタル機器を長時間使用することを問題視しています。
それに、インターネットを利用している限り「有害なコンテンツ」