子育て情報『大学入学共通テスト(英語)で新たに必要な対策とは』

大学入学共通テスト(英語)で新たに必要な対策とは

はたして文法対策は不要になったのでしょうか。

田畑さん:
発音・アクセント問題はなくなりましたが、そのぶんリスニングの配点が増えていますので、音声面の知識は今後もより重要になってくると思います。

あとは文法や語法の問題が直接的に問われなくなったことで、「文法知識はもうそんなに必要ないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

必要な情報を正しく理解するためには、文法知識は重要です。たとえば、今回の共通テストでは過去完了が用いられた英文を正しく理解できないと、時系列が正しく把握できず、正答できないというような問題も出題されていました。過去完了などの時制の区別が苦手な受験生は結構多いですよね。

あとは、「事実と主観的な意見を区別する」というような問題もいくつか出されていましたが、これを見分けるためには、助動詞の意味や使い方を正しく理解しておく必要があります。

共通テストでも、文法の知識は求められていると言えると思います。


——共通テストはすべてが読解問題になり、英文をより速く読むためのスキルが求められるようになりました。おおよそどれくらいのリーディングスピードが必要になるでしょうか。

田畑さん:
参考までに、ネイティブの黙読は平均300wpm(※1)程度と言われています。また、GTEC(※2)によりますと、日本人の高校生の読解スピードは平均で75wpmだそうです。

まだ新たな共通テストを対象にした研究は多く見当たらないのですが、2001年から2007年のセンター試験を解答するために必要なwpmが、131wpmから188wpmという研究結果や、余裕をもってセンター試験を解き終わるための読解スピードとして120wpmが必要、という意見もあります。センター試験より語数が増えている共通テストの場合は、なおさらスピードが求められそうですね。

また、共通テストのリスニングの読み上げスピードは、150wpm以上になっている部分もあるので、150wpmくらいを目指したいところでしょう。日本人の高校生の平均読解スピードから考えると、スピードアップがかなり必要です。


英語を日本語に訳すことができる、といったようなスキルではなく、なるべく英語のまま情報をすばやく理解する、というスキルが求められます。

※1wpm:1分間に読める単語数のこと。

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