共通テスト(英語)に必要なリスニング対策と効果的な練習法
ネイティブが実際に発音しているのが、自分の想定している音と違うわけですから、聞き取れなくて当たり前ですよね。
音声変化にはじつは一定のルールが存在するのですが、体系的に習うことは少ないので、知らない人が多いようです。音声変化のルールを身につけ、無意識に音声変化を再現できるようになれば、細部まで聞き取りやすくなりますよ。
ディクテーション・発音練習
ーー「ディクテーション」はどのようなトレーニングでしょうか。
田畑さん:
「ディクテーション」は、聞いた英語を紙に書き取るトレーニングです。
この活動の利点は、自分が聞き取れない箇所がどこかを特定できることです。
すべて書き出したうえで、スクリプトと照らし合わせて答え合わせをすれば、「単語を知らなくて聞き取れなかった」のか、「音声変化のせいで聞き取れなかった」のか、など自分の弱点を把握することができます。
ただし、答え合わせをしただけで終わらせていてはもったいないです!
自分の弱点を克服するために、書き取れなかった箇所を中心に、よく音声を聞き直してみて、自分でも正しく発音できるように練習まで行ないましょう。
オーバーラッピング
ーー「オーバーラッピング」はどのようなトレーニングでしょうか。
田畑さん:
「オーバーラッピング」は、流れてくる英語の音声に始めから終わりまで、ピッタリ重ねて英文を読み上げるトレーニングです。音声変化まで自分で再現できていないと、ネイティブと同じタイミングで発音し終わることができないので、音声変化を定着させるために効果的です。
先ほどのディクテーションのあとに、聞き取れない箇所を中心に行なうと特に効果的ですね。
また、次に説明するシャドーイングの前段階として行なっても効果があります。
オーバーラッピングはスクリプトを見ながら行ないましょう。
プロソディー・シャドーイング
ーー「プロソディー・シャドーイング」はどのようなトレーニングでしょうか。
田畑さん:
流れてきた音声に続いて、1、2語遅れでまねして発音していくのがシャドーイングです。
そのうち、特に「音声」だけを意識して行なうシャドーイングが、「プロソディー・シャドーイング」です。
英文の内容まで思い浮かべようとするとかなり高負荷になってしまうので、最初のうちは「音声」をなるべく正確に再現することのみに意識を払うようにしてください。