共通テスト(英語)に必要なリスニング対策と効果的な練習法
耳から入った音声が英語のどの音か聞き分けるスキル(音声知覚)と、聞き取った英語の意味を理解するスキル(理解)ですね。
音声知覚が弱点になっている場合には、正しい英語の音声知識をインプットし、瞬時に聞き取れるスキルを身につけていく必要があります。
これはたとえば、「音声で聞いただけだと聞き取れないのに、同じ英文を文字で読むと意味がちゃんとわかる」(=語彙の意味や文法の知識は定着している)というような人が当てはまります。
対して、短い英文であれば英語の音は聞き取れて、理解もできるものの、まとまった長い話になると内容の理解が追いつかない、という課題をもつ受験生は「理解」の処理を効率化する必要があります。
これには、前回ご説明したリーディングスピードを上げるためのトレーニングが有効ですし、さらに理解の処理スピードを早めるために、もっと負荷をかけたトレーニングを行なうことも可能です。
「音声知覚」と「理解」には効果的な鍛え方があります。これから「音声知覚」と「理解」の正しい鍛え方をご紹介しましょう。
大学入学共通テスト(英語リスニング)対策になる「音声知覚」の正しい鍛え方
共通テスト(英語リスニング)において、「音声知覚」を効率的に鍛えるステップは以下のとおり。
単語の発音練習音声変化のルール学習ディクテーション・発音練習オーバーラッピングプロソディー・シャドーイング順を追って、田畑さんに解説していただきました。
単語の発音練習
ーー単語の発音練習で意識すべきことはなんでしょうか。
田畑さん:
脳内で音と意味を正確に結びつけられるまで、音声を聞きながら、単語を繰り返し発音練習することです。語彙力の鍛え方の箇所でお話ししたとおり、個々の単語の正確な発音というのは、リスニングの土台となる必須知識です。
音声変化のルール学習
ーー「音声変化」とはなんでしょうか。
田畑さん:
「音声変化」とは、ネイティブが自然に話すときに、もともとの単語の発音が変化する現象のことです。話し言葉では、言いやすさの面で、一部の音が脱落したり、弱くなったり、つなげて発音されたりといったことが起こりやすくなります。共通テストのリスニングにおいても、自然な音声変化がたびたび登場します。
個々の単語の発音を正しく覚えていたとしても、音声変化のせいで聞き取れない、ということは多々あります。