「データを扱えない人間」にならないために。データサイエンス力を幼少期から家庭で鍛える!
渡辺氏は、「算数・数学の試験のために公式や定理を覚える教育ではなくて、普段からデータを意識することが大事」だと、監修した『こども統計学』のなかで述べています。そして、意外かもしれませんが、データサイエンス力をアップさせるために必要なのは、好奇心・想像力・論理性・行動力・コミュニケーション力など、「複合的な人間力」なのだそうです。
渡辺氏、竹村氏のアドバイスを参考に、家庭でデータサイエンス力を伸ばす習慣をまとめました。
【データに慣れる】ニュースや新聞のデータに疑問をもつようにしよう!
渡辺氏は『こども統計学』のなかで、基準の違いによって「多い・少ない」「最多・最少」は変わると述べています。たとえば、ニュースや新聞で「バスケット選手が8本のシュートを決めました」と報じられたとします。その際に「8本って多いのかな?」と親が問いかけることで、子どもは「多いのかな?少ないのかな?」という疑問をもつことができるのです。その “8本” が多いのか少ないのかは、ほかのデータを見てみないと判断できません。たくさんのデータに触れて、そのデータが何を意味しているのかを親子で話し合ってみてくださいね。
【データを楽しむ】身近な疑問をデータ化してみよう!
子どもには、まず「データは楽しい!」と知ってもらいましょう。楽しさを知るためには、自分の好奇心を原動力にするのが一番。よい例に、アメリカのデータ分析大手企業のSASが年に1度ほど開催している体験イベント「なつやすみ 親子でデータサイエンス」があります。気になるテーマについてのデータを収集し、データ分析のプロであるSAS社員からアドバイスをもらいながらデータの集計をします。そして最後は分析結果をポスターにして、結果を発表するのです。テーマは「『昔より暑い』は本当か」「ガリガリ君の当たりがでる確率予想と実際」「私も女医になれるかな?」「お母さんがバイトをしている焼肉屋さんはいつ忙しい?」など。子どもの発想は自由ですね!
イベントに参加しなくても、「このゲーム、すごく流行ってるんだよ!みんなもってるから、僕も欲しい!」と、子どもが言ってきたら、「実際そのゲーム機が何台売れているのか」「クラスの何人がもっているのか」などについて、調べてみてはいかがでしょう。身近な疑問をデータ化して考えてみるだけでも、子どもがデータに慣れ親しむよい機会となるはずです。