子育て情報『反抗期がなくて安心!? 「友だち親子」に訪れる、危険な “親子共依存”』

反抗期がなくて安心!? 「友だち親子」に訪れる、危険な “親子共依存”

一見、いい親子関係のようですが、実際はお互いに依存し合う「共依存関係」にあるのだと言います。

そして一度、「友だち親子」のような共依存の関係に陥ってしまうと、子どもが成長するにつれてさまざまな問題が表面化するようになるようです。

友だち親子01


「友だち親子」の恐ろしい弊害3つ

異常なまでに精神的距離が近い「友だち親子」は、子どもにとっても親にとっても、さまざまな弊害をもたらします。なかでも顕著なのは次の3つです。

弊害1:「親子共依存」になる
わが子にべったり依存してしまう親が増加している背景には、不安定な社会情勢や地域のつながりが希薄になっていることなど、複合的な要因が考えられますが、「子どもにとって “ものわかりのいい親” に見られたい」という親側の願望も見え隠れします。

そして “ものわかりのいい親” になるために、親は子どもとの距離を必要以上に縮めようとするのです。すると、子どもは「自分のことを一番理解してくれる親」に対して、安心してすべてを委ねてしまいます。その結果、いざ自立すべき年齢になっても判断力や決断力がないため、親への依存度がさらに増してしまう――。
これではいつまでたっても親離れ・子離れができません。

「『友だち親子』になると、親子が同質化する傾向が深まる」と、共依存状態にある親子関係を別の角度から分析しているのは、目白大学教授の黒沢幸子氏です。同質化した親子は「境界線がない=ボーダレス」の状態になり、子どもの感情の揺れに対して親も共鳴してしまう「親子共振状態」を招くのだそう。つまり、子どもの感情に寄り添いすぎて、本来ならば大人としての適切な指導やアドバイスをすべき場面でも、子どもと一緒になって教師や友だちを攻撃するモンスターペアレントになりかねないと、黒沢氏は指摘します。

また北海道にある篠路光真幼稚園のウェブサイトでは、共依存状態の親について、「子どもの自我を受け止めきれなかったり、ほかの子どもとわが子を比較したりと、親自身が子育てを楽しむことができなくなる」と書かれています。親子共依存は、子どもにとっても親にとっても、まわりが見えなくなる危険な状態と言えるでしょう。弊害2:「反抗期」がないまま成長してしまう
「反抗期がない」と聞くと、「いい子に育ってうらやましい!」と思う方もいるかもしれませんが、子どもが大人へと成長する過程において、親に反抗心を抱くことは大事なステップです。

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