反抗期がなくて安心!? 「友だち親子」に訪れる、危険な “親子共依存”
ことを挙げているのは、子育てコーチングの専門家でNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子氏。友だちでいるためには、相手に好かれるような振る舞いをしてしまいがちです。しかし、親が子どもに対して遠慮して、正しい指摘ができなくなると、子どもは親への尊敬や信頼を失ってしまうでしょう。そこで菅原氏は、「子どもという選手のコーチになる」ことを提案しています。
「コーチは選手の自由意思や自発性を大事にしながら、どうすれば、より早く走れるか、より高く飛べるかを考えて伝えます。選手に自発的な選択をさせながら能力を引き出すような枠組みを作ります。提案されたことを実行するのは選手自身です。親は、必要なときにさっとコーチの帽子にかぶり変える意識で子どもと向き合うのがお勧めです」
(引用元:日経xwoman|反動子育てで友達親子に「誤った自由さ」のリスクとは)
スポーツ選手が大きな大会やオリンピックを目指すように、子どもが自分自身で自分の「心」や「行動」をコントロールできるようになることを、子育ての最終目標として設定するといいそうです。
わが子の「生きる力」を育むためにも、選手の能力を最大限に伸ばすコーチとしての役割を全うしましょう。
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「自分の親が厳しかったから、わが子とは友だちのような関係でいたい」と望む保護者も多いかもしれません。ですが、友だちには友だちの、親には親の役割があります。子どもの精神的な成長のためにも、親自身が共依存に陥らないようにするためにも、そのことを忘れずに子育てをしていきたいですね。
(参考)
文部科学省|子どもの育ちに関する現状等に関するデータ集
尾木直樹(2015),『親子共依存』, ポプラ社.
東洋経済オンライン|「姉妹みたいな母娘」が危険である深いワケ
ベネッセ教育総合研究所|2「友だち親子」の光と陰ー危うい「よい子」と「乙Men現象ー
集英社 学芸編集部|思春期の頭の中はどうなってる?〈その2〉
明治安田生活福祉研究所|親子の関係についての意識と実態ーー親1万人・子ども6千人調査ーー
東洋経済オンライン|「子どもを潰してしまう親」には共通点があるあなたは「不幸アピール」をしていませんか?
ダイヤモンドオンライン|「友だち親子」になってはいけない
日経xwoman|反動子育てで友達親子に「誤った自由さ」のリスクとは
お金のキャンパス|脳科学者中野信子が語る!第3回子どもの可能性を育てる脳育を考える(後編)